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英検4級の小学生の合格率は公表されていなかった。協会の公式ページを全部数えて、代わりに出てきた「622」という数字の話

子どもが英検5級に受かった翌週、教室から「次は4級ですね」と言われました。

そのとき私の頭に浮かんだのは、たったひとつの疑問でした。

「小学生で英検4級って、そもそもどれくらい受かっているの?」

検索すると、いろいろな数字が出てきます。

でも私は、その数字を自分の感覚で信じたくなかったので、公益財団法人 日本英語検定協会が出している公式ページを片っ端から開いて、機械で数えながら読み直しました。

この記事に書いてあるのは、公式ページに書いてあったことと、書いていなかったことだけです。

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英検4級の小学生の合格率は、協会が公表していなかった

先に結論から書きます。

「小学生の英検4級の合格率」という数字は、公益財団法人 日本英語検定協会の公式サイトには出ていません。

私はこれを、読んだ印象ではなく機械で数えて確かめました。

やり方は単純で、協会の該当ページを丸ごと取得し、タグを剥がした本文の中に「合格率」という3文字が何回出るかを数える、というものです。

数えた公式ページ「合格率」の出現「学年別」の出現
受験の状況0回0回
4級の試験内容0回0回
英検CSEスコアでの合否判定方法について0回0回
試験結果・解答(トップ)0回0回
英検について(トップ)0回0回
よくあるご質問(受験者向け)0回0回

唯一「合格率」が出てきたのは、協会のお知らせ一覧でした。

ただしその1件は2016年7月29日のプレスリリースの見出しで、対象は「高校生の1級・準1級・2級」。小学生でも4級でもありませんでした。

つまり、級別の合格率も、学年別の合格率も、協会は表に出していないということです。

ネット上で見かける「英検4級の合格率は何割」といった数字は、協会が公表したものではなく、どこかで推計されたものだと考えたほうが安全です。

英検4級で公表されている合格ラインは「622」という1つの数字だった

合格率が無い代わりに、協会はもっと直接的なものを公表していました。

合格基準スコアです。英検4級の一次試験は、英検CSEスコアで622点を取れば合格になります。

この数字の出どころについて、ひとつだけ正直に書いておきます。

協会の「英検CSEスコアでの合否判定方法について」のページで、各級の合格基準スコアは「表① 各級の合格基準スコア」という1枚の画像として掲載されています。

つまりページ本文の文字としては取れず、画像を目で読むしかありません(2026年9月12日に確認)。

画像そのものは https://www.eiken.or.jp/eiken/item/exam_01.png で直接開けるので、ご自身の目でも確かめられます。

一方で、この記事の表に出てくる「技能ごとの満点」のほうは、同じページに文字として書かれていました。

ここが、私がいちばん腑に落ちたところでした。

協会の説明によれば、各級の合格基準スコアは固定されています。

回によってラインが動かないので、「今回は難しかったから合格率が下がった」という話は、少なくとも合格ラインの側では起きない仕組みです。

そしてもうひとつ、4級には大事な但し書きが付いていました。

  • 英検4級・5級の級認定は、リーディングとリスニングの一次試験の合否のみで判定する
  • 英検4級・5級のスピーキングテストは、一次試験の合否に関係なく受験できる独立したテスト

つまり英検4級に「受かった/落ちた」を決めているのは、読む力と聞く力の2技能だけです。

英検4級の合格ラインを、他の級と同じものさしで並べ直した

622という数字だけを見ても、高いのか低いのか分かりません。

そこで、同じ公式ページに載っている「各級の技能ごとの満点スコア」を使って、満点に対する割合を私が自分で割ってみました。

英検4級は1技能あたり500点満点。判定に使うのはリーディングとリスニングの2技能なので、一次試験は1,000点満点になります。

級一次の合格基準スコア一次の満点(技能満点×技能数)満点に対する割合
1級20282550(850×3)79.5%
準1級17922250(750×3)79.6%
2級15201950(650×3)77.9%
準2級プラス14021875(625×3)74.8%
準2級13221800(600×3)73.4%
3級11031650(550×3)66.8%
4級6221000(500×2)62.2%
5級419850(425×2)49.3%

合格基準スコアと技能ごとの満点は協会の公表値、いちばん右の割合は私が電卓で出した数字です。

5級が49.3%で、4級が62.2%。5級から4級へ上がるときだけ、求められる割合が約13ポイントも跳ね上がっています。

3級の66.8%や準2級の73.4%と並べると、この段差の大きさが分かります。

「5級のときと同じ感覚で受けさせると、思ったより届かない」と言われる理由が、私はここにあると思いました。

英検4級のスコアは、家で正答数から逆算することができない

ここでどうしても知りたくなるのが、「じゃあ何問正解すれば622点なのか」です。

これについても、協会ははっきり書いていました。

スコアは各回の全答案を採点したあと、統計的手法(Item Response Theory)で算出しているため、受験者が自分の正答数からスコアを出すことはできない、とされています。

同じ正答数でも、回によってスコアは変わるということです。

ただし、目安として1か所だけ数字が書かれていました。

2016年度第1回の一次試験では、2級以下は各技能6割程度の正答率だった受験者の多くが合格していた、という記述です。

これは2016年度第1回に限った過去の実績であって、将来を約束する数字ではありません。

それでも、家で過去問を解かせたときの当たりを付けるには十分でした。

読む問題も聞く問題も、どちらも6割前後を安定して超えているか。英検4級で我が家が見ているのは、この一点だけになりました。

協会が「技能のバランスが重要になります」とわざわざ見出しを立てているのも、片方だけ得意でも届きにくいからだと読み取れます。

英検4級の一次試験は全65問。何がどれだけ出るのか

合格ラインが分かったので、次はその中身です。

協会の「4級の試験内容」ページには、形式と問題数が全部書かれていました。

技能形式・課題問題数解答形式
リーディング(35分)短文の語句空所補充154肢選択
リーディング会話文の文空所補充54肢選択
リーディング日本文付き短文の語句整序54肢選択
リーディング長文の内容一致選択104肢選択
リスニング(約30分)会話の応答文選択(放送2回)103肢選択・読み上げ
リスニング会話の内容一致選択(放送2回)104肢選択
リスニング文の内容一致選択(放送2回)104肢選択

足すとリーディング35問、リスニング30問で、英検4級の一次試験は合計65問になります。

リスニングはすべて放送2回。ここは小学生にとって心強い条件だと思いました。

長文で読まされる素材も明記されていて、掲示・案内、Eメール(手紙文)、説明文の3種類です。

場面は家庭・学校・地域(各種店舗や公共施設を含む)・電話・アナウンスなど。話題は家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告、海外の文化などと公表されています。

目安としては「中学中級程度」と書かれていました。

英検4級と5級の差は、はっきり「長文」だった

5級の試験内容ページも同じように開いて、並べて比べました。

項目5級4級
リーディングの時間25分35分
リスニングの時間約20分約30分
リーディングの問題数25問35問
リスニングの問題数25問30問
長文の内容一致選択なし10問
イラストの内容一致選択10問なし
目安中学初級程度中学中級程度

5級には長文の問題がありません。英検4級で初めて、掲示やEメールや説明文を読んで答える10問が入ってきます。

逆に5級にあった「短文を聞いてイラストを選ぶ」問題は、4級では消えています。

絵に頼れる問題が無くなって、まとまった英文を読む問題が10問増える。

合格に必要な割合が49.3%から62.2%へ上がるのと、この出題の変化は、同じ方向を向いています。

試験時間も、リーディングで10分、リスニングで約10分ずつ長くなります。

英検4級のスピーキングテストは、合否が別建てになっている

英検4級には二次試験(面接)がありません。

代わりに、4級・5級スピーキングテストという別のテストが用意されています。

協会の特設ページによれば、これは受験申込者全員が受けられるテストで、専用の受験サイトにアクセスして受ける形式です。

項目英検4級スピーキングテスト(約4分)
音読25語程度のパッセージを読む(1問)
パッセージについての質問音読した内容についての質問に答える(2問)
イラストについての質問イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する(1問)
受験者自身のことなど日常生活の身近な事柄についての質問に答える(1問)
解答形式録音型面接
合格基準スコア324(技能満点500に対して64.8%/割合は筆者計算)

ここが親として一番安心した点でした。スピーキングテストの結果は、英検4級そのものの合否には影響しません。

協会は「独立したテストとして、個別に判定します」と明記しています。

話すのが苦手でも、英検4級の級認定そのものは読む力と聞く力で決まる、ということです。

英検4級を受けている小学生の人数は、ここまでしか分からない

合格率が無いなら、せめて受けている人数だけでも知りたいと思いました。

協会の「受験の状況」ページには、学校段階別の志願者数が出ています。

年度小学校以下の志願者数合計志願者数小学校以下の割合
2025年度516,844人4,543,122人11.4%
2024年度547,536人4,489,999人12.2%
2023年度551,604人4,503,698人12.2%
2022年度524,833人4,205,920人12.5%
2021年度461,154人4,102,668人11.2%

志願者数は協会の公表値、割合は私が割った数字です。

ただし、この数字をそのまま「小学生の英検4級受験者数」として読むことはできません。

理由は、同じページに但し書きとして書かれていました。

  • この数字は実用英語技能検定・英検IBA・英検Jr.の3つを合算した志願者数である
  • 「受験者数」ではなく「志願者数」である
  • 級ごとの内訳は示されていない
  • 年度をまたぐ集計の際に、年度ごとの集計値が若干変動する場合がある

つまり公式に分かるのは「小学校以下の志願者が年50万人規模で、全体の1割強を占めている」ところまで。英検4級だけを切り出した数も、その合格者数も、公表されていません。

合格率が計算できないのは、分子も分母も公表されていないからだ、と考えると筋が通ります。

英検4級に受かる子は何ができるのか、Can-doリストで確かめた

数字が出ないなら、中身で測るしかありません。

協会は「英検Can-doリスト」で、各級に合格するために求められる力を技能別に公開しています。

英検4級の全体像は「日常的な話題について、初歩的な語句を用いた短い話や文章の概要を捉えたり、自身の考えや感想を初歩的な語句を用いてまとまりのある内容で簡単に伝えることができる」と書かれていました。

キーワードは「概要を捉える」です。

一語一句を訳す力ではなく、話の大筋をつかむ力が問われている、と読めます。

タスク例として挙げられていたものも具体的でした。

  • 読む=物語などの短い文章を読み、出来事の概要を時系列に沿って捉える
  • 聞く=「お気に入りの日本食」についてALTが授業で話すのを聞き、大まかな内容を捉える
  • 聞く=電話の留守電機能にあるメッセージを聞き、相手の伝えたいことを捉える
  • 話す=学校行事や興味・関心のある事柄について、気持ちや考えを数文で伝える
  • 書く=日記や活動の記録を、読み手に分かりやすいように情報を整理して書く

審査基準のほうはもっと短く、英検4級は「簡単な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる」の一行でした。

ちなみに5級は「初歩的な英語を理解することができ」、3級は「身近な英語を理解し」となっています。

英検4級の検定料は、会場によって倍近く変わる

お金の話も確認しておきます。

協会が公表している2026年度の検定料は、次のとおりでした。

実施会場英検4級5級3級(一次・二次)
準会場2,800円2,400円4,900円
本会場4,600円4,000円6,800円

金額はすべて税込です。協会のページにも「単位:円(税込)」と明記されています。

英検4級は一次試験のみなので、二次試験の検定料はかかりません。

準会場と本会場で1,800円の差があり、割合にすると本会場は準会場の約1.6倍です。

なお協会は「2026年度の検定料は、2025年度の検定料より一律100円引き下げております」とも書いていました。値上げではなく値下げです。

検定料は改定されることがあるので、申し込む前に協会の検定料ページで最新を見てください。

英検4級の合格率が無いと分かったあと、今日うちで決めたこと

調べ終わって、私は3つだけ決めました。

1つめ。合格率という他人の数字を探すのをやめて、622点という固定された基準のほうを見ることにしました。

合格率は毎回動くかもしれませんが、合格基準スコアは固定されていると協会が明記しています。

動かないほうを目印にしたほうが、家の中の会話がぶれません。

2つめ。過去問を解かせたら、リーディングとリスニングの正答率を別々に出して、両方が6割前後を超えているかだけを見ることにしました。

合計点ではなく技能ごとに見るのは、協会が「技能のバランスが重要になります」と書いていたからです。

3つめ。英検4級で新しく増える「長文10問」だけを、集中して練習させることにしました。

5級に無くて4級にあるのは、掲示・案内、Eメール(手紙文)、説明文を読む問題です。

家で用意するなら、学校のお知らせプリントやレシピのような「短い実用文」がいちばん近いと思いました。

合格率が公表されていないことは、不親切ではなく、ただ「そこは見なくていい」という意味だったのかもしれません。

英検4級の合格率を調べるために開いた公式ページ

この記事で使った数字の出どころです。すべて公益財団法人 日本英語検定協会が公開しているページです。

英検4級について調べた日と、お断り

上の公式ページを取得して数えたのは2026年9月12日です。

合格基準スコア・満点・問題数・検定料・志願者数は、その日に公式ページへ実際に載っていた数字をそのまま写しています。

満点に対する割合と、志願者数の構成比だけは、公表値から私が計算したものです。

制度も検定料も改定されることがあります。申し込む前に、必ず公益財団法人 日本英語検定協会のページで最新の内容を確認してください。

この記事は特定の教材やスクールをすすめるものではなく、公的に確かめられる情報だけを整理したものです。

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