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トビタテ留学の高校生向けは、第12期で600人を支える返済不要の奨学金だった。対象・期間・支援額を募集要項で確かめた

トビタテ留学の高校生向けは、第12期で600人を支える返済不要の奨学金だった。対象・期間・支援額を募集要項で確かめた
トビタテ留学の高校生向けは、第12期で600人を支える返済不要の奨学金だった。対象・期間・支援額を募集要項で確かめた

トビタテの留学の高校生向けの枠を、日本学生支援機構の募集要項だけで1項目ずつ確かめました。

子どもの学校で「トビタテ」という名前を聞いて、どんな制度なのかが気になって公式の資料を開いています。

開いたのは「2027年度(第12期)派遣留学生募集要項【高校生等対象】」のPDFと、文部科学省の発表ページ、トビタテ!留学JAPANのウェブサイトの3つでした。

この記事に書いてあるのは、その3つの資料に書いてあったことと、そこから計算した数字だけです。

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トビタテ留学の高校生向けは、第12期で600人を支える返済不要の奨学金だった

結論から書くと、高校生向けの正式な名前は「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム~【高校生等対象】」でした。

トビタテ!留学JAPANのサイトの高校生等対象のページは、題名が「返済不要の留学奨学金」です。

募集要項の「本制度の概要」では、留学に必要な費用の一部を「奨学金・留学準備金として支給する」と定めていました。

お金だけの制度ではなく、留学の前後の研修と、帰国後の「派遣留学生ネットワーク」の提供も同じ制度の中に入っています。

運営は独立行政法人日本学生支援機構で、文部科学省と一緒に2013年度から「トビタテ!留学JAPAN」を進めてきたと募集要項の「はじめに」にあります。

2023年度からは「第2ステージ」に入り、2027年度までの5年間としていた期間を2028年度まで延ばすと発表されました。

項目第12期【高校生等対象】の内容
支援予定人数600人(4コースの合計)
留学期間留学先での活動期間が14日以上1年以内
留学開始日2027年7月10日(土)〜2028年3月31日(金)
奨学金月額60,000円・120,000円・160,000円の3区分
留学準備金アジア地域150,000円・その他の地域250,000円+増額分
募集要項の公開2026年10月1日

表の数字は、募集要項と文部科学省の発表ページで同じ値が並んでいました。

制度の目的は、生徒が「自ら立案・作成した計画に基づいた自由な留学」を支援することで、将来「社会にイノベーションを起こすグローバル探究リーダー」として活躍する人を育てることです。

学校が用意した留学に乗るだけの制度ではなく、計画を書くのは生徒本人という作りでした。

トビタテ留学に応募できる高校生の対象と、派遣留学生の10の要件

対象として最初に書かれていたのは在籍している学校の種類です。

日本の高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校(第3学年以下)、専修学校の高等課程に在籍する日本人生徒等が対象でした。

学年の区切りは2つあり、2027年4月に2年生か3年生に進級する人が「新高校2・3年生」、2027年4月に高校等に進学する人が「新高校1年生」です。

いま中学3年生の子どもでも、新高校1年生として応募する枠が用意されています。

高等専門学校で2027年4月に第4学年に進級する人は、高校生等対象ではなく「大学生等対象」の側に応募する形でした。

派遣留学生の要件は①から⑩まであり、すべてを満たす必要があります。

  • ①日本国籍を有する者、または応募時までに日本への永住が許可されている者
  • ②事前・事後研修と派遣留学生ネットワークに参加する意思を表明した者
  • ③在籍高校等で、卒業を目的とした課程に在籍する者
  • ④在籍高校等が派遣を許可し、受入先機関が受入れを許可する者
  • ⑤日本学生支援機構の「第二種奨学金(予約採用)」の家計基準を満たす者
  • ⑥留学に必要な査証を確実に取得し得る者
  • ⑦留学終了後、在籍高校等に戻り学業を継続する者、または卒業を目指す者
  • ⑧年齢が30歳以下である者(2027年4月1日の年齢で数える)
  • ⑨インターンシップの報酬や他団体の給付型奨学金が、本制度の奨学金の総額を超えない者
  • ⑩過去に本制度や拠点形成支援事業、旧制度の派遣留学生として採用されていない者

⑦は、留学が終わったら在籍高校等に戻って学業を続けることを求める要件です。

帰国した生徒の英語を学校の制度がどう扱っているかは、帰国子女の英語を学習指導要領と施行規則で読んだ記事で整理しました。↓

⑤の家計基準には但し書きがあり、基準を超える家庭でも応募でき、支援予定人数全体の1割程度を上限に採用する決まりです。

家計基準を判定するのは家庭ではなく在籍高校等で、生計維持者の課税証明書を使います。

使う課税証明書は2026年度(令和8年度(令和7年分))のもので、判定ツールは学校に配られる仕組みです。

公式サイトのFAQでは、Q3「学業成績や語学力は問われますか」に対して、成績と語学力は応募の要件の外に置かれていると答えていました。

⑨の注記によれば、文部科学省の「国費高校生留学促進事業」の留学支援金とは併給ができない決まりでした。

トビタテ留学の高校生向けのコースは4つ、留学期間は14日から1年まで

高校生等対象の募集は4つのコースに分かれていました。

どのコースも、生徒が自分で「問い」を立てる「探究活動」を含む留学計画を支援するという点は共通です。

コース支援予定人数うち第一日程うち第二日程
STEAM探究コース140人115人25人
スポーツ・芸術探究コース120人100人20人
マイ好奇心探究コース210人175人35人
社会課題探究コース130人110人20人

4コースを足すと600人で、そのうち第二日程(新高校1年生)の枠は100人でした。

STEAM探究コースは、科学・技術・工学・芸術・数学の領域で問いを立てる計画や、AIやIoT、理科・数学の見方を使って探究する計画が対象です。

スポーツ・芸術探究コースは「実技経験や実績の有無にかかわらず」応募でき、その分野の発展に寄与する探究を含む計画が対象とされていました。

マイ好奇心探究コースは、自分の興味から「未知を既知」にすることや「疑問を解明」することを目的にした計画です。

社会課題探究コースは、世界・日本・地域の社会課題を自分ごととして考え、課題解決やSDGs、社会貢献に寄与する計画が対象でした。

留学期間は「留学先における活動期間が14日以上1年以内」で、125日以上を「ロング」、14日以上124日以下を「ロング以外」と呼び分けています。

ロングの計画は、支援予定人数全体のうち20人程度を採用する予定でした。

ここで言う留学期間は、日本を出る日や現地に着く日ではなく、受入先機関で活動を始めた日から終えた日までです。

募集要項の例では、7月20日に出国して7月21日から活動を始め、8月30日に活動を終えて9月1日に帰国する計画の留学期間は、移動日の8月6日を除いた40日間でした。

トビタテ留学で高校生がもらえる奨学金と留学準備金の金額

支給されるお金は「奨学金」と「留学準備金」の2つです。

奨学金は現地活動費と授業料相当額が対象で、月額は留学先の地域と家計基準で3つに分かれていました。

区分奨学金月額
家計基準内・地域区分①(北米、シンガポール、欧州、中近東)160,000円
家計基準内・地域区分②(アジア〈シンガポールを除く〉、大洋州、中南米、アフリカなど)120,000円
家計基準外(地域を問わず)60,000円

地域区分①のうち、ハンガリーやポーランド、チェコなど募集要項に並べられた国は「除外国」として地域区分②の月額になります。

支給の回数は、留学期間の日数を31で割り、小数点以下を切り上げた数でした。

14日から31日の留学なら1回分、32日から62日なら2回分という数え方です。

募集要項に載っていた計算の例は2つです。

  • 例1=月額16万円で7月20日〜12月10日の144日なら、5回分で80万円
  • 例2=月額12万円で12月15日〜2月28日の76日なら、3回分で36万円

2つの例とも、日数を31で割った端数を切り上げて回数を出していました。

いちばん長い342日から365日の留学は12回分で、家計基準内・地域区分①なら奨学金の総額は1,920,000円です。

留学準備金は、事前・事後研修の参加費や往復の渡航費、査証の取得や予防接種などにかかる費用の一部を支援するお金でした。

金額はアジア地域が150,000円、その他の地域が250,000円で、円安や物価高を理由にアジア地域へ60,000円、その他の地域へ100,000円が上乗せされます。

留学先留学準備金上乗せ分合計
アジア地域(国・地域コード100番台)150,000円60,000円210,000円
その他の地域250,000円100,000円350,000円

合計の列は、留学準備金と上乗せ分を足した数字です。

奨学金はロング以外なら留学が終わってからの一括支給、ロングなら毎月の支給で、いずれも在籍高校等が機構に申請します。

奨学金は留学計画にかかる「全ての費用(実費)を支援するもの」ではなく、費用の一部を支える位置づけです。

ここに並ぶ金額はすべて受け取る側の支給額で、税込・税抜を表示する商品の価格とは種類の違うお金になります。

採用後に計画を変えると支給額が減ることはあっても、増額は行わない決まりです。

トビタテ留学の高校生の応募は在籍校を通し、第一日程と第二日程に分かれる

応募は個人ではなく、必ず在籍高校等(または入学予定の高校等)を通してオンラインシステムで行う仕組みでした。

保護者や生徒からの問い合わせ先も、事務局ではなく在籍高校等の担当者です。

新高校2・3年生は第一日程だけ、新高校1年生は第一日程か第二日程のどちらか1つに応募します。

項目第一日程(新高校2・3年生/新高校1年生)第二日程(新高校1年生)
学校から機構への申請開始2026年12月上旬予定2027年4月1日(木)
学校のアカウント申請期限2027年1月15日(金)2027年4月15日(木)
学校から機構への申請期限2027年1月21日(木)2027年4月21日(水)
選考の形書面審査のあと面接審査書面と面接の総合審査
採否結果の通知2027年4月下旬予定2027年5月下旬予定

表の期限は学校が機構に出す期限で、生徒から学校への提出期限は各学校が決めます。

第一日程の面接審査は2027年3月20日から30日にかけて、東京・岡山・沖縄・札幌・大阪・仙台・福岡・名古屋で行う予定でした。

第二日程の面接審査は5月4日から9日で、会場は東京・岡山・大阪・札幌・福岡です。

面接審査までの交通費は応募者の自己負担になります。

応募書類は「留学計画書」と「自由記述書」の2つで、どちらも日本語で作成します。

自由記述書には、学内外での取り組みや高校卒業後の進路、留学の成果を社会へどう還元するかを書く例が挙げられていました。

トビタテ留学の高校生の選考は「人物」と「計画」、第11期は2,602人が応募して718人

審査は「人物」と「計画」の2つの観点で行われ、「人物」の観点がより重視されます。

「計画」では、留学の目的が明確か、目的に合った留学先・期間・探究活動の内容か、成果を将来と社会にどう生かすかが見られます。

応募の倍率を確かめるために、文部科学省が発表した前の期(2026年度・第11期)の選考結果を開きました。

コース応募者数採用者数応募÷採用
STEAM探究コース266人156人約1.7倍
スポーツ・芸術探究コース410人143人約2.9倍
マイ好奇心探究コース1,190人258人約4.6倍
社会課題探究コース736人161人約4.6倍
合計2,602人718人約3.6倍

倍率の列は、発表された応募者数を採用者数で割って出した数字です。

第11期の応募者は前年度の1,886人から2,602人に増え、文部科学省は「4割増加」と発表していました。

採用者は前年度の717人から718人で、ほぼ同じ人数のままです。

日程別に分けると、次の2行になります。

  • 第一日程=応募2,136人・採用586人(約3.6倍)
  • 第二日程=応募466人・採用132人(約3.5倍)

第二日程は新高校1年生だけの日程で、倍率は第一日程とほぼ同じ水準でした。

コースによって倍率の開きが大きく、STEAM探究コースとマイ好奇心探究コースでは2.7倍ほどの差があります。

もう1つの仕組みが「地域応援枠」で、在籍高校等のある都道府県からの応募が第一日程で15人以上なら、第一日程の上位5人を優先して採用します。

第12期では、拠点形成支援事業に採択された群馬県・富山県・京都府・和歌山県・徳島県・福岡県にはこの地域応援枠を設けません。

この6府県では県や府が独自の高校生向けプログラムを募集しているので、併願できるかどうかは各プログラムの募集要項で確かめる形でした。

トビタテ留学の高校生の計画で、支援の対象外になる4つの形

留学計画の要件は①から⑦まであり、そのうち親が先に知っておきたい線引きが4つありました。

1つ目は語学学習だけの計画で、募集要項には「語学学習のみを行う計画は、支援の対象外」とあります。

語学学習が留学全体の準備過程や補助的な位置づけとして計画の一部に入っている場合は、支援の対象に入ります。

学校の英語で高校3年間に扱う語の数は、高校の英語の単語数を告示の原文で数えた記事にまとめています。↓

2つ目は受入先機関の条件で、受入先機関は海外にある法人や団体で、受入れや活動の修了を証明できる機関に限られます。

受入先機関として認められない例募集要項の注記
日本に所在する法人・団体日本の法人・団体の海外事務所は認められる
滞在先(ホームステイ先、寮、ホテル等)例としてこの3つが並んでいる
留学あっせん業者(留学エージェント、旅行代理店など)活動内容が業者の業務に関するものである場合のみ認められる
個人(親戚・知り合い、教師宅など)個人が経営する事業に関する活動なら、その法人・団体は認められる

親戚の家に泊まって現地の学校に通う計画なら、受入先機関になるのは親戚ではなく通う学校の側です。

3つ目は回数で、本制度で支援する留学は1回だけでした。

夏休みにオーストラリア、冬休みにカナダと2回に分ける計画は、どちらか一方を選んで応募するよう例が示されています。

4つ目は安全面で、受入先機関の所在地が外務省「海外安全ホームページ」の危険情報や感染症危険情報で「レベル2」以上の地域なら、原則として奨学金の支給対象外になります。

公式サイトのFAQのQ22では、学校の留学プログラムや留学エージェントのプログラムを使う場合でも、生徒が自分で立案・計画した活動を加えて独自性のある計画にすることが求められていました。

トビタテ留学の高校生が採用後にやることと、親が確かめる点

採用されたあとの予定も、募集要項の「派遣留学生の義務」に並んでいました。

事前研修は参加が必須で、第12期は2027年6月12日・13日の東京と、6月19日・20日の大阪の4日程から機構が指定します。

事後研修も参加が必須で、2027年秋以降に順次開かれ、留学終了月から1年以内かつ2029年3月までに出る決まりです。

研修への交通費は支給されず、留学準備金に含まれているという扱いでした。

ほかに、事後研修のあと1か月以内の「留学状況報告書」の提出と、留学先で日本の良さを伝える「アンバサダー活動」、帰国後に留学の体験を周りに伝える「エヴァンジェリスト活動」も求められます。

留学のあとは在籍高校等に戻って学業を続けることが前提で、研修と報告までが派遣留学生の務めに入っています。

トビタテ留学で親が確かめる5つ

  • ①学年と日程を確かめる=新高校2・3年生は第一日程だけ、新高校1年生は第一日程か第二日程のどちらか1つ
  • ②学校の窓口を確かめる=応募も問い合わせも在籍高校等(または入学予定の高校等)を通す
  • ③家計基準を確かめる=判定するのは学校で、基準内か基準外かで奨学金月額が16万円・12万円と6万円に分かれる
  • ④受入先機関を確かめる=個人や滞在先、日本の法人は受入先機関として認められない
  • ⑤計画の中身を確かめる=語学学習だけの計画は対象外で、自分で立てた問いの探究活動を入れる

数字は募集要項と文部科学省の発表ページから写し、倍率だけを応募者数と採用者数から計算しています。

最新の内容は、トビタテ!留学JAPANの公式ページと日本学生支援機構の募集要項でご確認ください。

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参考文献

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