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中学の英語の評価は3観点のA・B・Cと5段階の評定で付く。指導要録の通知と国立教育政策研究所の参考資料で確かめた

中学の英語の評価は3観点のA・B・Cと5段階の評定で付く。指導要録の通知と国立教育政策研究所の参考資料で確かめた
中学の英語の評価は3観点のA・B・Cと5段階の評定で付く。指導要録の通知と国立教育政策研究所の参考資料で確かめた

中学の英語の評価が、通知表のA・B・Cと1〜5の数字でどう付いているのかを、文部科学省の通知と国立教育政策研究所の参考資料で確かめました。

通知表に並ぶ3つの記号と1つの数字の関係が気になり、塾の解説ではなく公式の文書を開いています。

開いたのは、文部科学省の「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」と、その別紙2・別紙4です。

中学校外国語の参考資料(令和2年3月)と学校教育法施行規則もあわせて読み、書いてあったことだけをまとめました。

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中学の英語の評価は、3つの観点のA・B・Cと、総括した5段階の評定で付く

結論から書くと、中学の英語の評価は2段構えでした。

1段目は「観点別学習状況」で、3つの観点ごとにA・B・Cが付きます。

2段目は「評定」で、観点別の結果を総括して5から1の数字にしたものです。

通知の本文は、観点を「『知識・技能』,『思考・判断・表現』,『主体的に学習に取り組む態度』の3観点に整理」しています。

段名前付き方根拠
1段目観点別学習状況3観点それぞれにA・B・C通知の別紙2
2段目評定5・4・3・2・1の5段階通知の別紙2

A・B・Cの意味は、別紙2の「観点別学習状況」の項でこう区別されていました。

  • A=「十分満足できる」状況と判断されるもの
  • B=「おおむね満足できる」状況と判断されるもの
  • C=「努力を要する」状況と判断されるもの

物差しになるのは、クラスの中の順位ではなく「中学校学習指導要領等に示す各教科の目標」です。

参考資料は、観点別学習状況の評価と評定の両方を「学習指導要領に定める目標に準拠した評価として実施するもの」と説明しています。

目標に照らしてどこまで実現したかを見る評価だということです。

この形は平成29年告示の中学校学習指導要領とセットで、参考資料のはしがきには「令和3年度から全面実施」とあります。

以前の観点は4つで、平成29年改訂で「4観点から3観点に整理された」と参考資料は書いていました。

前の通知(平成22年5月11日付け)の中学校に関する部分は、2021年3月31日をもって廃止されています。

中学の英語の評価の3観点は、外国語のための文で別紙4に書かれている

3つの観点の名前は全教科で共通ですが、中身の文は教科ごとに違います。

外国語の文は、別紙4「各教科等・各学年等の評価の観点等及びその趣旨」の<中学校 外国語>の表にありました。

観点趣旨(別紙4の原文)
知識・技能外国語の音声や語彙,表現,文法,言語の働きなどを理解している。/外国語の音声や語彙,表現,文法,言語の働きなどの知識を,聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けている。
思考・判断・表現コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,日常的な話題や社会的な話題について,外国語で簡単な情報や考えなどを理解したり,これらを活用して表現したり伝え合ったりしている。
主体的に学習に取り組む態度外国語の背景にある文化に対する理解を深め,聞き手,読み手,話し手,書き手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとしている。

3観点それぞれの言葉の芯

知識・技能は2本立てで、1本目が「理解している」、2本目が「活用できる技能を身に付けている」です。

単語や文法を知っているかに加えて、それを実際に聞いたり話したりする場面で使えるかまでが、同じ観点に入っていました。

思考・判断・表現の言葉の芯は「目的や場面,状況など」にあります。

同じ英文が言えても、目的や場面に合っているかは別の観点で見られます。

主体的に学習に取り組む態度は、「聞き手,読み手,話し手,書き手に配慮しながら」という相手を意識した書き方でした。

参考資料が示す知識と技能の中身

参考資料の第2編は、観点ごとのポイントをもう一段くわしく示しています。

「知識」は、学習指導要領の「英語の特徴やきまりに関する事項」を理解している状況を評価するもの、とされていました。

「技能」は、単元で扱う言語材料が提示された状況で使えるかではなく、「使用する言語材料の提示がない状況においても」話したり書いたりできるかを評価する、とあります。

テスト範囲の文法をその場で当てはめる力より、手がかりを示されなくても使える力が技能として見られる書き方です。

中学の英語の評価は、五つの領域ごとに見取られる

英語には、3観点のほかにもう1つの区切りがありました。

参考資料によれば、中学校外国語科の「内容のまとまり」は五つの領域です。

  • 聞くこと
  • 読むこと
  • 話すこと[やり取り]
  • 話すこと[発表]
  • 書くこと

5つの領域それぞれについて3観点の評価規準を作り、その結果を観点ごとにまとめる流れでした。

話すことが[やり取り]と[発表]に分かれているので、話す力の評価情報は2種類集めることになります。

五つの領域が家での勉強にどうつながるかは、中学生の英語の勉強法を告示の五つの領域から組み立てた記事にまとめています。↓

評価情報を得る方法として、参考資料は主に3つを挙げています。

方法参考資料の説明
ペーパーテスト等期末テストや単元テスト等のほか、言語活動の際に用いるワークシート
パフォーマンステスト事例では、初めて会うALTの先生への自己紹介とやり取り
活動の観察単元終末の言語活動や、それに至るまでの言語活動の観察

「知識・技能」のうち「知識」(音声に関することは除く)は、領域を問わずペーパーテスト等で評価することが考えられる、と注記されていました。

定期テストの点は、主に知識の側に効いてくる材料という位置づけです。

話すことの技能や思考・判断・表現のほうは、パフォーマンステストと活動の観察が中心になります。

英語の評価の材料は、ペーパーテスト等・パフォーマンステスト・活動の観察の3つに分かれています。

学期で総括するときはすべての領域の情報がそろわない場合もある一方、学年末に総括する際には「全ての評価情報が得られていることが必要」とも書かれていました。

中学の英語の評価で「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数では付かない

3観点のうち、いちばん誤解されやすいのがこの観点です。

通知は、以前の「関心・意欲・態度」の観点について「挙手の回数や毎時間ノートをとっているかなど,性格や行動面の傾向が一時的に表出された場面を捉える評価であるような誤解が払拭しきれていない」という課題を挙げています。

そのうえで新しい観点は、「粘り強い取組の中で,自らの学習を調整しようとしているかどうかを含めて評価する」と定められました。

粘り強い取組と自己調整の2つの側面

参考資料は、これを2つの側面に分けて説明しています。

  • 知識及び技能を獲得したり、思考力・判断力・表現力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組を行おうとしている側面
  • その粘り強い取組を行う中で、自らの学習を調整しようとする側面

英語の場合、この観点は「思考・判断・表現」と基本的には一体的に評価する、と事例5に書かれていました。

評価する時期は「単元終末や学期末等で行うパフォーマンステスト等が基本」です。

単元の1時間目に意欲が高まっただけで、この態度が育まれたと評価するのは「適切ではない」とも明記されています。

振り返りの記述で評価が変わる例

事例5には、振り返りの記述で評価が変わる例も示されていました。

パフォーマンステストで3観点とも「c」だった生徒が、振り返りに「聞かれていることが分からなかったときは質問すればよかった」と書き、それが授業の言語活動にも表れていたため、態度を「b」と総括した例です。

振り返りが効くのは、「b」と「c」のどちらもあり得る場合に限られます。

言語活動に粘り強く取り組めている(「a」または「b」の)場合は、振り返りの記述内容によって評価を変えることはしない、とされていました。

自己調整を図っている姿の例として、領域ごとに次のような行動が挙げられています。

領域参考資料にある姿の例(抜粋)
聞くこと分からない時には聞き返している
読むこと途中で止まらず最後まで読み進めている
話すこと[やり取り]自分が話したことが伝わったかを確認している
話すこと[発表]自分の発表をタブレットなどで録画し、改善点を見付けている
書くこと書いたら友達に読んでもらい、分かりにくい点がないかを確認している

家で英語の授業の話をするときも、「何回手を挙げたか」より「分からないときにどうしたか」を聞くほうが、この観点の中身に沿っています。

中学の英語の評価をA・B・Cへ総括するやり方は、学校ごとに決めておく

参考資料の事例では、単元ごとの評価情報を小文字の「a・b・c」で表し、学期末や学年末に観点ごとのA・B・Cへまとめていました。

まとめ方として、総説の章は2つの方法を示しています。

方法参考資料の例
A・B・Cの数で決める3回の結果が「ABB」ならB
数値に置き換えて平均するA=3・B=2・C=1とし、Bの範囲を2.5≧平均値≧1.5とすると、「ABB」は約2.3でB

「AABB」のように同数になった場合や、3つの記号が混ざった場合の扱いは「あらかじめ各学校において決めておく必要がある」とされています。

英語の事例では、「知識・技能」が「b, b, c, c, b」なら、bとcの数の比率からBと総括していました。

ただし学期単位なら、その学期に重点を置いて指導した領域の結果を重視する方法も考えられる、と続きます。

話すことに重点を置いた学期に、話すことの2領域が「c」なら、観点全体を「C」とする書き方でした。

同じ記号の並びでも、学校の決め方でBにもCにもなるということです。

記録をとる場面について、通知は「毎回の授業ではなく原則として単元や題材など内容や時間のまとまりごとに」行うよう求めています。

毎時間、全員の記録をとって蓄積することは「現実的ではない」と、参考資料も書いていました。

総括のしかたについては「教師間で共通理解を図り,児童生徒及び保護者に十分説明し理解を得ることが大切」とあり、親が説明を求めてよい部分だと読めます。

中学の英語の評価の5段階評定は、「BBB」なら3が基本

評定の5段階は、別紙2で次のように区別されています。

評定別紙2の文言
5「十分満足できるもののうち,特に程度が高い」状況
4「十分満足できる」状況
3「おおむね満足できる」状況
2「努力を要する」状況
1「一層努力を要する」状況

観点別のAが「十分満足できる」なので、評定の4とAは同じ言葉で書かれている形です。

5だけが「特に程度が高い」という一段上の言葉になっていました。

A・B・Cの組み合わせから評定にする目安は、参考資料にこう書かれています。

  • 「BBB」であれば3を基本とする
  • 「AAA」であれば5又は4
  • 「CCC」であれば2又は1

これ以外の組み合わせは、「各観点のA,B,Cの数の組合せから適切に評定することができるようあらかじめ各学校において決めておく必要がある」とされていました。

「AAA」の目安は「5又は4」で、4になる場合も書き込まれています。

別紙2には「評定の適切な決定方法等については,各学校において定める」とあり、最終的な決め方は学校の側でした。

参考資料は、A・B・Cで表された実現状況には幅があるため、「機械的に評定を算出することは適当ではない場合も予想される」とも書いています。

小学校の評定は3段階で、5段階になるのは中学校からです。

小学校の英語の評価の付き方は、小学校の英語の評価を通知の本文で確かめた記事で扱いました。↓

数字を5つに分類したものとして捉えるのではなく、背景にある具体的な学習の実現状況を思い描くことが大切だ、というのが参考資料の締めくくりでした。

中学の英語の評価は指導要録に残り、高校入試の調査書のもとになる

通知表とは別に、学校には省令で作ることが決まっている記録があります。

学校教育法施行規則第24条は、校長は「その学校に在学する児童等の指導要録」を「作成しなければならない」と定めています。

別紙2によれば、中学校の「指導に関する記録」は、各教科の学習の記録(観点別学習状況及び評定)・道徳科・総合的な学習の時間・特別活動・行動の記録・総合所見及び指導上参考となる諸事項・出欠の記録を「学年ごとに作成する」ものです。

保存期間は、同じ規則の第28条で決まっていました。

記録保存期間
指導要録など第28条第1項の表簿5年間
指導要録のうち入学、卒業等の学籍に関する記録20年間

通知表のほうは、通知の中で「いわゆる通知表」と呼ばれ、記載事項は各学校が定めるものとして書かれています。

指導要録の記載事項を全て満たす場合には、設置者の判断で両者の様式を共通にすることも「現行の制度上も可能」とされていました。

高校受験とのつながりは、施行規則の第78条と第90条にあります。

第78条は、中学校の校長が「調査書その他必要な書類」を進学先の校長に送付しなければならないという条文です。

第90条は、高等学校の入学を、送付された調査書と学力検査の成績等を資料として行う選抜に基づいて校長が許可する、と定めています。

英語の評定は、調査書を通じて高校入試の資料になるという流れです。

一方で通知は、学習評価は「入学者選抜に用いることを一義的な目的として行われるものではない」とも書いています。

調査書と学力検査の比重や、学年ごとの重み付けは、各高等学校やその設置者が検討するものとされていました。

何年生の評定がどれだけ効くかは、住んでいる都道府県の入試要項で確かめる話です。

東京都の例として、英語の「話すこと」のテストが都立高校入試で何点になるかは、ESAT-Jを東京都教育委員会の実施要項で確かめた記事に書いています。↓

中学の英語の評価を、親が通知表で確かめる順番

ここまでの資料を、通知表を受け取ったときの見方に置き換えます。

まず、評定の数字より先に、3つの観点のA・B・Cを並べて見ます。

評定は総括した結果なので、差が付いた観点が表れるのは観点別の欄です。

次に、学校が出している評価の方針を探しましょう。

通知は「学習評価の方針を事前に児童生徒と共有する場面を必要に応じて設ける」ことを重要とし、参考資料も保護者との共通理解を「非常に重要」としていました。

総括のしかたや評定の決め方は学校ごとに定めるものなので、学校の説明資料がいちばん近い一次資料になります。

外部試験や検定等の結果について、通知は「教師が行う学習評価の補完材料」と位置づけています。

級やスコアは、先生が自分の評価を補ったり見直したりするための材料という扱いでした。

中学の英語の評価で親が確かめる5つ

  • ①観点を見る=知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度のどれがA・B・Cか
  • ②材料を知る=ペーパーテスト等のほかに、パフォーマンステストと活動の観察がある
  • ③態度の中身を知る=挙手の回数ではなく、粘り強い取組と学習を調整しようとする側面の2つ
  • ④評定の目安を知る=「BBB」なら3が基本で、「AAA」は5又は4
  • ⑤学校の決め方を聞く=総括のしかたと評定の決定方法は各学校が定める

最新の内容は文部科学省と国立教育政策研究所の公式ページでご確認ください。

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英語の授業が各学年で年何時間あるかは、中学校の英語の授業時数を施行規則の別表で数えた記事にまとめています。↓

参考文献

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