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英検の受験料はなぜこの金額なのか|公式の検定料と協会の決算書を開いて確かめた(2026年度)

息子が学校から英検の申込プリントを持って帰ってきた日、私は金額の欄で手が止まりました。

3級で6,800円。

下の子も同じ年に受けるとしたら、我が家からはそれだけのお金が一度に出ていきます。

「なんでこの値段なんだろう」と口に出しかけて、飲み込みました。

その「なんで」を、自分の気分で決めてしまうのが嫌だったからです。

なので私は、公益財団法人 日本英語検定協会が公表している受験料のページと、同協会が公表している決算書(正味財産増減計算書)と収支予算書を開いて、そこに並んでいる数字だけを写しました。

この記事に書いてあるのは、その公表資料に書いてあったことと、書いていなかったことだけです。

金額はすべて、協会の表記どおり税込です。

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英検の受験料は2026年度で4,000円から12,400円だった(本会場・個人申込)

先に、いちばん知りたいところの答えを置きます。

協会のサイトに「2026年度 検定料(個人申込)」という表があり、単位は「円(税込)」と明記されていました。

そのまま書き写したのが、下の表です。

級2026年度 検定料(本会場・個人申込/税込)
5級4,000円
4級4,600円
3級6,800円
準2級8,400円
準2級プラス8,600円
2級9,000円
準1級10,400円
1級12,400円
出典:日本英語検定協会「個人でのお申し込みを検討している方」2026年9月12日に閲覧

同じページには、注記も2行ついていました。

ひとつは「一次試験免除者も同額です」。

もうひとつは「4・5級は一次試験のみです」。

つまり、二次試験(面接)がある級とない級で、料金表は分かれていません。1回分の金額に、その級で実施するぶんが全部入っています。

小学生の子が最初に受けることが多い5級・4級で見ると、4,000円と4,600円でした。

英検の受験料は2026年度から全級一律で100円下がっていた

受験料のページを読んでいて、いちばん意外だったのがここでした。

2026年度の検定料は、2025年度より全級で100円「下がって」います。

協会のページには「2026年度の検定料は、2025年度の検定料より一律100円引き下げております」と書かれていました。

前年度と並べると、こうなります。

級2025年度(税込)2026年度(税込)
5級4,100円4,000円
4級4,700円4,600円
3級6,900円6,800円
準2級8,500円8,400円
準2級プラス8,700円8,600円
2級9,100円9,000円
準1級10,500円10,400円
1級12,500円12,400円
出典:日本英語検定協会「個人でのお申し込みを検討している方」(本会場・個人申込)

この引き下げは、2025年11月10日付の協会の速報リリースで告知されていました。

そこには、なぜ下げたのかも書いてあります。

リリースの言葉をそのまま引くと、背景はこうです。

  • 「AI を活用した問題作成および採点業務の改革」
  • 「生涯学習アカウント等によるデジタルサービスの推進」
  • 「英検 S-CBT の海外展開の拡充」
  • 「その結果、財務基盤の改善に一定の成果を上げております」

そのうえで、こう続きます。

「近年の物価上昇により家計の教育費負担が増大している状況を踏まえ、公益財団法人としての使命に立ち返り、生涯学習を支援し全世代の英語力向上を後押しする観点から、ごくわずかではありますが、検定料を一律 100 円引き下げることといたしました」

対象は「英検(従来型)」「英検S-CBT」「英検S-Interview」の全方式で、2026年度第1回検定からと書かれていました。

英検の受験料は「本会場」と「準会場」で最大2,400円ちがう

ここが、私がいちばん知らなかったところでした。

英検の試験会場は2種類あると、協会のページに書かれています。

本会場は「協会が設置する公開会場」で、全級を受けられます。

準会場は「協会が準会場として認めた団体(学校・塾など)が設置する試験会場」で、受けられるのは2級〜5級のみです。

そして、この2つは金額が違います。

級準会場(税込)本会場(税込)差
5級2,400円4,000円1,600円
4級2,800円4,600円1,800円
3級4,900円6,800円1,900円
準2級6,000円8,400円2,400円
準2級プラス6,300円8,600円2,300円
2級6,800円9,000円2,200円
出典:日本英語検定協会「検定料(団体・学校関係者の方)」2026年度/差は筆者が引き算したもの

3級だと1,900円、準2級だと2,400円の差です。

ただし、ここには条件があります。

準会場で受けられるのは「団体申込」だけで、個人で申し込んだ場合は本会場のみです。

協会のページには、申し込みの種類ごとの違いも表になっていました。

  • 団体申込=試験会場は準会場または本会場。試験日程は団体によって異なり、検定料は英検担当の先生が指定する方法で支払う
  • 個人申込=試験会場は本会場のみ。検定料は協会宛に支払い、受験票・成績表は協会から直接自宅に届く

なお、準会場の一次試験に合格したあとの二次試験は本会場で行うと、表の中に書かれていました。

つまり、子どもが通う学校や塾が準会場になっているかどうかで、同じ級でも支払う金額が変わります。

英検S-CBTとS-Interviewの受験料は、従来型とは別に決まっている

英検には、紙で受ける従来型のほかに、コンピューターで受ける英検S-CBTがあります。

協会の説明では「全国47都道府県にあるテストセンターで、コンピューターで受験する英検」で、「英検(従来型)と同等の資格・スコアを取得できます」とありました。

実施しているのは準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級のみで、4級・5級はありません。

そして、同じ級でも従来型と金額が違います。

級従来型・本会場(税込)英検S-CBT(税込)差
3級6,800円7,700円+900円
準2級8,400円9,000円+600円
準2級プラス8,600円9,200円+600円
2級9,000円9,600円+600円
準1級10,400円10,500円+100円
出典:日本英語検定協会「英検S-CBT 検定料」2026年度/差は筆者が引き算したもの

もうひとつ、受験上の配慮が必要な方向けの「英検S-Interview」という方式もありました。

2025年11月10日のリリースには、この方式の2026年度の金額も載っています。

1級12,500円、準1級10,500円、2級9,600円、準2級プラス9,200円、準2級9,000円、3級7,700円(いずれも税込)です。

同じ「英検3級」でも、準会場4,900円・本会場6,800円・S-CBT 7,700円と、受け方によって3通りの金額がありました。

なお、海外会場の検定料は「別途、確定次第、英検ウェブサイトにてご案内いたします」とリリースに書かれていました。

英検の受験料の「内訳」は、受験料のページには書かれていなかった

金額はわかりました。

私が次に知りたかったのは、この6,800円が何に使われているのかでした。

そこで、受験料に関するページを機械で検索しました。

調べたのは、協会サイトの「検定料(団体・学校関係者の方)」「個人でのお申し込みを検討している方」「英検S-CBT 検定料」「試験日程・受験案内(受験を検討している方)」の4ページと、2025年11月10日付の速報リリースPDFです。

「内訳」「原価」「使途」という語を数えたところ、この5つの資料ではいずれも0件でした。

つまり、受験料のページを何度読み返しても、1回分の中身は出てきません。

ただ、それは「公表していない」という意味ではありませんでした。

内訳は、受験料のページではなく、協会が別に公表している決算書のほうに、ぜんぶ載っていました。

日本英語検定協会は公益財団法人なので、決算書(財務諸表)と事業報告を毎年ウェブサイトで公開しています。

ここから先は、その決算書に並んでいた数字です。

英検の受験料は、協会の収入の9割を占めていた

私が開いたのは、令和7年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の正味財産増減計算書です。

収入側(経常収益)の合計は、21,270,447,192円でした。

約212億円です。

その内訳のうち、大きいものを書き出します。

収益の科目令和7年度(円)
実用英語技能検定収益19,352,722,148
IELTS収益838,689,601
TEAP収益251,701,818
賃貸収益140,544,750
英検IBA・英検プレテスト・英検ESG収益131,524,897
能力判定事業付属収益128,238,604
英検Jr.収益103,166,017
経常収益 計21,270,447,192
出典:日本英語検定協会「正味財産増減計算書」令和7年度

実用英語技能検定、つまり英検そのものの収益が19,352,722,148円。私が割り算をすると、経常収益全体の91.0%でした。

この法人は、ほぼ英検の受験料だけで回っているということです。

寄付や補助金にあたる大きな収入は、この計算書の経常収益の欄には出てきませんでした。

前の年度(令和6年度)の実用英語技能検定収益は18,398,563,405円で、1年で約9億5千万円増えています。

受験者が増えているぶん、収入も増えている。ここまでは、想像どおりでした。

英検の受験料は、会場代・人の謝礼・紙を運ぶ費用に変わっていた

想像と違ったのは、出ていく側でした。

同じ令和7年度の経常費用の合計は、21,417,918,963円です。

内訳は事業費21,295,644,699円と管理費122,274,264円で、9割9分が事業費でした。

その事業費の中身が、細かく科目に分かれています。

金額の大きい順に上から14項目を書き出すと、こうなりました。

費用の科目令和7年度(円)経常費用に占める割合
業務委託費8,180,619,32338.2%
給与手当1,726,384,9458.1%
会場借用費1,465,729,5936.8%
梱包運送費1,314,675,7076.1%
減価償却費1,106,968,1685.2%
賃借料791,227,6733.7%
面接委員謝礼金772,215,7463.6%
制作雑費668,172,3333.1%
監督謝礼金593,534,3362.8%
事務連絡費570,863,6412.7%
試験運営費545,299,0872.5%
採点料519,111,2322.4%
準会場費476,232,4452.2%
印刷費407,793,8241.9%
出典:日本英語検定協会「正味財産増減計算書」令和7年度(事業費の科目)/割合は経常費用計21,417,918,963円に対して筆者が計算したもの

この14項目だけで、経常費用の89.4%になります。

いちばん大きいのが業務委託費で、約81億8千万円。

私が「なるほど」と声が出たのは、会場借用費14億6千万円と、梱包運送費13億1千万円が並んでいたところでした。

年3回、全国で一斉に試験をやるということは、その日だけ全国の会場を借りて、問題用紙と解答用紙を全国に送って、全国から回収する、ということです。

人に払うお金も、科目が分かれていました。

  • 面接委員謝礼金 772,215,746円(二次試験の面接官)
  • 監督謝礼金 593,534,336円(試験当日の監督)
  • 採点料 519,111,232円
  • 実施委員謝礼金 109,159,513円

この4つを足すと、約19億9千万円です。

私が払った6,800円のうち、かなりの部分が「試験の日に人が立っている」ことと「紙が動く」ことに使われていました。

ただし、決算書には「1人あたりいくら」という形の内訳はありません。

あくまで法人全体の年間の数字なので、級ごとの金額がどう決まったかは、この資料からは読み取れませんでした。

英検を運営する協会の経常収支は、2年続けてマイナスだった

収入と費用を並べたので、差額も書いておきます。

令和7年度の当期経常増減額は、△144,737,281円でした。

前の年度(令和6年度)は△172,894,963円です。

2年続けて、経常の収支はマイナスで着地していました。

項目令和7年度令和6年度
経常収益 計21,270,447,192円20,196,533,760円
経常費用 計21,417,918,963円20,362,219,613円
当期経常増減額△144,737,281円△172,894,963円
正味財産期末残高4,566,611,027円4,718,202,168円
出典:日本英語検定協会「正味財産増減計算書」令和7年度

正味財産の期末残高は約45億6千万円で、1年で約1億5千万円減っています。

翌年の見通しも公表されていました。

令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)の収支予算書では、経常収益計21,854,166,016円、経常費用計21,953,414,383円、当期経常増減額△99,248,367円と見込まれています。

100円の引き下げを織り込んだうえで、この年もマイナスの予算が組まれている、という読み方になります。

ここまでが、公表資料に書いてあった数字です。

この数字が多いのか少ないのかは、私には判断できません。

ただ、「高い気がする」と思っていた金額の向こう側に、会場と人と紙の費用がこれだけ並んでいる、ということは分かりました。

英検の受験料を補助している自治体が、公式サイトで公表されている

調べているうちに、もうひとつ知らなかったことが出てきました。

受験料を、住んでいる市や町が補助してくれる制度があります。

協会の「統合報告書2025」には「検定料の公費補助実施の自治体数推移」という図があり、2015年から2024年で3.9倍になったと書かれていました。

実際に、自治体の公式サイトを4つ開いて、2026年度(令和8年度)の内容を書き写したのが下の表です。

自治体対象補助の形回数
木更津市(千葉)中学3年生で英検3級を受験した子の保護者検定料を全額補助年1回
東大阪市(大阪)市立小学校・中学校・義務教育学校に在籍する児童生徒受検料の半額年度内2回まで
さくら市(栃木)市内に住所がある小中学生の保護者(小学生は5級〜1級/中学生は4級〜1級)級ごとの定額(5級1,200円〜1級6,200円)年度内2回まで
佐野市(栃木)市の住民基本台帳に登録がある児童生徒の保護者(小学生は全級/中学生は3級以上/高校生は2級以上)予算の範囲内で交付年度内1回
出典:各市公式サイト(2026年9月12日に閲覧)

条件は自治体ごとにかなり違いました。

東大阪市は英検S-CBTも対象ですが、「教育委員会が指定する受検期間」が対象と書かれています。

佐野市は英検S-CBT・英検S-Interviewも対象で、英検Jr.は対象外、さらに「市税に滞納がないこと」が条件でした。

木更津市には「申し込み後、受験しなかった場合は検定料補助対象となりません」という注意書きがありました。

共通していたのは、どの自治体も「申請しないともらえない」ことです。

領収書や個人成績表の写しが必要で、受付期間も決まっていました。

この4市はあくまで例で、制度がある自治体はほかにもたくさんあります。

お住まいの市区町村に制度があるかどうかは、市区町村の公式サイトか教育委員会にご確認ください。

英検の受験料について、今日わが家で決められること

ここまで調べて、私が今日できると思ったことは3つでした。

  • 通っている学校や塾が準会場かどうかを聞く。3級なら本会場6,800円と準会場4,900円で1,900円、準2級なら2,400円の差でした。
  • 住んでいる市区町村の公式サイトで「英語検定 補助」「検定料 助成」を探す。全額のところも、半額のところも、級ごとの定額のところもありました。
  • 受ける級と回数を先に決めて、年間でいくらになるか紙に書く。英検は年3回あるので、1回の金額より、年間の合計のほうが家計に響きます。

それと、これは調べる前と後で私の中で変わったことです。

金額の理由を知りたいときは、料金ページではなく決算書を開いたほうが早い、ということが分かりました。

公益財団法人は、収入も費用も科目ごとに毎年公開しています。

誰でも、無料で、その日のうちに読めます。

ちなみに、統合報告書2025によると、2024年度の小学生の英検受験者数は37万5,991人でした。

同じプリントを前に手が止まっている保護者が、全国に何十万人もいるということです。

英検の受験料を調べた日と、出典の一覧

この記事の内容は、2026年9月12日に下記のページとPDFを開いて確認したものです。

金額はすべて、出典側の表記どおり税込で記載しています。

受験料は年度ごとに改定されます。この記事に書いたのは2026年度(令和8年度)の公表額です。

申し込む前に、必ず日本英語検定協会の公式サイトで最新の金額をご確認ください。

本文中の「割合」と「差」は、出典の金額をもとに筆者が計算したものです。

計算のもとになった金額は、すべて上記の出典に記載されている数字をそのまま使いました。

自治体の補助制度は、年度ごとに対象・金額・受付期間が変わります。

申請の可否や必要書類は、お住まいの市区町村の公式サイトと教育委員会でご確認ください。

この記事は、公表資料に書かれていたことと、書かれていなかったことを整理したものです。

受験する級や申し込み方法で迷うときは、お子さんを直接見ている学校・塾の先生にご相談ください。

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