参観日に、英語の授業を担当していたのは担任の先生でした。
別の学年では、見たことのない先生が英語を教えていました。
小学校の英語を教える先生に、英語の免許が要るのかどうかを私は知りませんでした。
そこで、e-Gov法令検索で教育職員免許法の本文を開いて、条文を最初から読み直しました。
この記事に書いてあるのは、その条文に書いてあったことと、書いていなかったことだけです。
小学校の英語の教員免許という区分は、普通免許状には無い
先に結論を書きます。
小学校の普通免許状に、教科ごとの区分はありません。
教育職員免許法の第四条第五項には、教科別に免許を出す学校が名指しで書かれています。
「中学校及び高等学校の教員の普通免許状及び臨時免許状は、次に掲げる各教科について授与するものとする」という条文です。
ここに小学校は入っていません。
中学校の欄には、国語、社会、数学、理科などと並んで「外国語(英語、ドイツ語、フランス語その他の各外国語に分ける。)」が挙げられています。
同じ書き方の一覧が、小学校については条文に置かれていません。
だから、小学校の先生の免許は「小学校教諭」という1つの免許で、その中に英語が含まれる形になります。
小学校の教員免許は3種類ある
免許の種類そのものは、第四条第一項に書かれています。
「免許状は、普通免許状、特別免許状及び臨時免許状とする」という条文です。
この3つは、出し方も出る相手も違います。
| 種類 | 条文に書かれている中身 |
|---|---|
| 普通免許状 | 学校の種類ごとの教諭の免許状。専修免許状・一種免許状・二種免許状に区分する |
| 特別免許状 | 学校の種類ごとの教諭の免許状(幼稚園などを除く) |
| 臨時免許状 | 学校の種類ごとの助教諭の免許状及び養護助教諭の免許状 |
同じ「先生」でも、条文の上では教諭と助教諭が書き分けられています。
臨時免許状のところにだけ「助教諭」と書かれているのが、その違いです。
小学校と中学校では、免許の作り方そのものが違う
中学校の先生は、教科ごとに免許を取ります。
中学校の欄には「外国語(英語、ドイツ語、フランス語その他の各外国語に分ける。)」と書かれていて、英語だけをさらに分けることまで条文に書いてあります。
高等学校も同じ書き方です。
一方で、小学校は教科の一覧そのものが第五項に置かれていません。
つまり、小学校の英語を担任が教えていても、条文の上では免許が足りないことにはなりません。
これは、小学校の先生が全教科を担当する前提で制度が組まれているためだと読めます。
小学校の英語に「教科」として免許が出るのは特別免許状だけ
ただし、条文をもう1つ下まで読むと話が変わります。
第四条第六項の第一号に、小学校教諭の特別免許状の教科が並んでいます。
本文はこうです。
「小学校教諭にあつては、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育及び外国語(英語、ドイツ語、フランス語その他の各外国語に分ける。)」と書かれています。
ここで初めて、小学校と外国語が同じ行に並びます。
普通免許状には無い教科の区分が、特別免許状には置かれている、という構造です。
小学校で英語だけを教える先生がいるとしたら、条文の上ではこの特別免許状が受け皿になります。
小学校の英語で特別免許状を取るには、教育職員検定に合格する
取り方も、条文に書かれています。
第五条第二項は「特別免許状は、教育職員検定に合格した者に授与する」と書いています。
その検定を受けられる人の条件が、続く第三項にあります。
- 担当する教科に関する専門的な知識経験又は技能を有する者
- 社会的信望があり、かつ、教員の職務を行うのに必要な熱意と識見を持つている者
さらに、この検定は「教育職員に任命し、又は雇用しようとする者」が行う推薦に基づいて行うとも書かれています。
自分から申し込んで取る形ではありません。
学校側が「特に必要がある」と認めた場合に動く仕組みとして書かれています。
大学で教職課程を取っていなくても、英語の専門性があれば入口があるということです。
小学校の普通免許状は、大学で単位を取るか検定に合格するかの2つ
普通免許状の出し方も、第五条第一項に書かれています。
「別表第一、別表第二若しくは別表第二の二に定める基礎資格を有し、かつ、大学若しくは文部科学大臣の指定する養護教諭養成機関において別表第一、別表第二若しくは別表第二の二に定める単位を修得した者」が1つ目の道です。
もう1つは「その免許状を授与するため行う教育職員検定に合格した者」と書かれています。
つまり、大学で単位を揃える道と、検定に合格する道の2つが条文に並んでいます。
そのうえで、同じ項の但し書きに「授与しない」人が列挙されています。
- 十八歳未満の者
- 高等学校を卒業しない者(文部科学大臣が同等以上と認めた者を除く)
- 拘禁刑以上の刑に処せられた者
- 免許状が失効し、その日から三年を経過しない者
この但し書きは、特別免許状にもそのまま準用されると書かれています。
英語が得意だというだけで先生になれる、という制度にはなっていません。
なお、どの教科に必要な単位がいくつかは別表のほうに定められていて、この記事では開いていません。
小学校の教員免許の条文に「英語」は3件しか出てこない
言葉の数も気になったので、法令の本文を機械で数えました。
| 数えた言葉 | 件数 |
|---|---|
| 英語 | 3件 |
| 外国語 | 6件 |
| 特別免許状 | 25件 |
| 臨時免許状 | 43件 |
「英語」の3件は、すべて「外国語(英語、ドイツ語、フランス語その他の各外国語に分ける。)」という同じ言い回しの中にありました。
中学校、高等学校、小学校の特別免許状の3か所です。
英語を単独の教科として立てている条文は、この法律の中には見当たりませんでした。
制度の上では、あくまで「外国語」という教科の一部という置き方です。
免許そのものの必要性は、第三条第一項に1行で書かれています。
「教育職員は、この法律により授与する各相当の免許状を有する者でなければならない」という条文です。
「各相当の」という言い方なので、小学校の先生には小学校の免許、中学校の先生には中学校の免許が要る、という組み立てになります。
義務教育学校の先生については、小学校と中学校の両方の免許状を持つ者でなければならないと第三条第四項に書かれています。
小学校の臨時免許状は、助教諭の免許状のこと
臨時免許状という言葉は、条文の中に43件ありました。
第四条第四項は「臨時免許状は、学校の種類ごとの助教諭の免許状及び養護助教諭の免許状とする」と書いています。
教諭ではなく、助教諭の免許です。
第四条第五項では、中学校と高等学校の臨時免許状も教科ごとに授与すると書かれています。
小学校の臨時免許状については、教科の一覧が条文に置かれていません。
ここも普通免許状と同じ扱いになっています。
小学校の英語の教員免許について、この記事で分からなかったこと
条文を読んでも分からなかったことが3つあります。
- わが子の学校で英語を教えている先生がどの免許を持っているか(免許の種類は個人の情報で、法律から分かるものではありません)
- 小学校で外国語の特別免許状がどれだけ出ているか(件数は法律の条文には書かれていません)
- 教員が大学で英語をどれだけ学んでいるか(必要な単位は別表に定めがあり、この記事では確かめていません)
この3つは今回読んだ範囲に答えが無かったので、分からないと書いておきます。
免許状を出すのは都道府県の教育委員会で、この法律では授与権者と呼ばれています。
小学校の英語の教員免許について、今日わが家で確かめられること
ここまでで分かったことを、聞き方に置き換えます。
- 「英語は担任の先生が教えますか、別の先生ですか」=小学校の普通免許状に教科の区分が無いので、どちらでも制度上おかしくない
- 「英語の時間に何人の大人が入りますか」=担任のほかに入る人がいるかどうかは、学校ごとの体制の話になる
- 免許の種類を先生個人に問い詰めない=条文で決まっているのは種類と授与の仕組みまでで、開示の話は別
どれも、教育職員免許法に出てくる言葉をそのまま使って組み立てました。
条文を取得した日は2026年9月17日です。
法律は改正されることがあるので、最新の条文はe-Gov法令検索でご確認ください。
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