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中学生の英語の勉強法は、告示の「五つの領域」から決まっていた。1600〜1800語と140単位時間を割り戻して組み立てた

中学生になった子どもの英語の勉強法を、私は最初、書店の棚の順番で決めようとしていました。

単語帳を1冊、文法の問題集を1冊、そのうちリスニングも足そう、という順番です。

ところが学校が使っている教育課程の基準を開いたら、英語の学力は5つに分けて書かれていて、単語と文法はその5つのどれでもありませんでした。

そこで、文部科学省の中学校学習指導要領(平成29年告示)と、学校教育法施行規則の別表第二だけを開いて、上から順に数字を書き写しました。

この記事に書いてあるのは、その2つの告示と省令に書いてあったことと、書いていなかったことだけです。

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中学生の英語は「五つの領域」で書かれている

中学校学習指導要領の外国語では、目標が技能別に並べられています。

告示の言葉は「五つの領域別の目標」で、その5つとは「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」です。

ここで大事なのは、「話すこと」が2つに割られている点です。

相手とやり取りする話し方と、人前で発表する話し方は、別の領域として目標が立てられています。

そして単語や文法は、この5つと並ぶ項目ではありません。

告示では、単語や文法は「言語材料」という別の枠に入っていて、「五つの領域別の目標を達成するために必要となる」ものとして書かれています。

つまり国の設計では、単語と文法は目的ではなく材料の側に置かれています。

家で「単語と文法をやらせているのに話せない」と感じるとき、原因はやっていないことではなく、5つのうちの4つに手が付いていないことかもしれません。

中学生が3年間で使える時間は、省令に数字で書いてある

勉強法を決める前に、学校がどれだけの時間を英語に使うのかを確かめました。

学校教育法施行規則の別表第二に、中学校の教科ごとの授業時数が載っています。

区分第1学年第2学年第3学年
外国語の授業時数140140140
総授業時数101510151015
1単位時間50分50分50分
学校教育法施行規則 別表第二より

3学年を足すと420単位時間で、1単位時間が50分なので21,000分、時間に直すと350時間です。

年間およそ35週で割ると、週4コマという計算になります。

ここが、家での勉強法を考えるときの土台になる数字でした。

学校で使えるのが3年で350時間だと分かると、家で足す時間を「毎日何時間」で考える必要がなくなります。

1日20分を3年続けると約365時間で、学校の授業とほぼ同じ量になる計算です。

中学生が覚える語は1600〜1800語程度と書かれている

語数についても、告示は具体的な数字を書いています。

中学校の言語材料は、小学校で学習した語に1600〜1800語程度の新語を加えた語です。

小学校学習指導要領の側は「600〜700語程度の語」なので、小中を合わせると2200〜2500語程度になります。

先ほどの420コマで新語1600〜1800語を割ると、1コマあたり3.8〜4.3語です。

授業だけで1日4語ペースが前提になっている、という読み方ができます。

中学生の英語は、小学校で扱った600〜700語の上に積まれている

中学校の語数が「小学校で学習した語に加えた語」という書き方になっているので、小学校側の数字も確かめました。

小学校学習指導要領の外国語は、第3学年及び第4学年において第4章外国語活動を履修する際に取り扱った語を含む600〜700語程度の語です。

つまり中学校の1600〜1800語は、ゼロからの数字ではなく、小学校の600〜700語を前提にした追加分です。

小学校の語が抜けていると、中学の教科書は「新語だけが1600語増える」設計のまま進んでいきます。

だから中1の最初でつまずいたときに、まず戻る先は中学の単語帳ではなく小学校で扱った語のほうです。

小学校側の告示には、語とは別に連語と慣用表現の例も書かれています。

連語は「get up、look at などの活用頻度の高い基本的なもの」、慣用表現は「excuse me、I see、I’m sorry、thank you、you’re welcome などの活用頻度の高い基本的なもの」という書き方です。

これらは語数の中に入っていない別枠なので、単語帳を1冊終えても抜けが残ります。

中学生の英語の授業は「英語で行うことを基本とする」

指導計画の欄に、家庭での勉強法に直接ひびく1行がありました。

生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことが基本です。

授業が英語で進む前提だとすると、家でやることの優先順位が変わります。

訳す練習より先に、授業の指示や説明を英語のまま聞き取れるかどうかが効いてくるからです。

同じ欄には「生徒の理解の程度に応じた英語を用いるようにすること」とも書かれているので、授業のすべてが英語になるという意味ではありません。

それでも基本が英語の側に置かれていることは、家での優先順位を決める材料になります。

中学生の英語は、学年ごとの目標が国では決まっていない

「中1でここまで、中2でここまで」という国の割り振りを探しましたが、外国語の章には見つかりませんでした。

代わりに書かれていたのは「学年ごとの目標を適切に定め、3学年間を通じて外国語科の目標の実現を図るようにすること」という文です。

学年ごとの目標を決めるのは、国ではなく学校の側だという書き方になっています。

だから「学年別の標準」を家で探しても、国の資料には出てきません。

家で基準にできるのは、通っている学校の年間計画と教科書の進度のほうです。

中学生の英語の勉強法は、告示の言語活動の例に置き換えられる

告示には、領域ごとに「こういう活動を通して指導する」という例が並んでいます。

家でやれる形に言い換えると、こうなりました。

告示の言語活動の例を家の作業に置き換えた5つ
  • 聞くこと=店や公共交通機関のアナウンスから必要な情報を聞き取る活動が例なので、家では駅や空港の英語放送を題材にする
  • 読むこと=広告やパンフレット、予定表、手紙、電子メールから必要な情報を読み取る活動が例なので、長文問題より先に生活の書きものを読む
  • 話すこと[やり取り]=相手の質問に応答し、関連する質問をして会話を続ける活動が例なので、答えたあとに質問を1つ返す形で練習する
  • 話すこと[発表]=自分で作ったメモを使って口頭で要約する活動が例なので、原稿の丸暗記ではなくメモからの発表にする
  • 書くこと=簡単な手紙や電子メールの形で近況を伝える活動が例なので、作文の前にメールの型で書く

どれも告示に例として書かれている活動なので、学校でやることと家でやることがずれません。

中学生の英語の勉強法について、告示に書いていなかったこと

探しても書かれていなかったものも、はっきりさせておきます。

1日の家庭学習の分数、単語の覚え方、音読の回数、問題集の冊数は、どれも告示には出てきません。

国が決めているのは「何ができるようになるか」と「どれだけの時間と語数で扱うか」までで、やり方は決めていません。

ここを分かっておくと、「正しい勉強法はどれか」という探し方をしなくて済みます。

国が決めていないところは、家庭が自由に決めていい部分だということでもあります。

中学生の英語の勉強法として、家で今日から決められる4つ

ここまでの数字と条文から、家の側で決められることだけを並べます。

  • ①五つの領域のうち、いま弱い1つを決める=5つ全部を同時に上げようとしない
  • ②授業が英語で進む前提に合わせる=訳す練習より、聞いて分かる量を先に増やす
  • ③語は1日4語を目安に置く=新語1600〜1800語を420コマで割った数字がその根拠
  • ④学年の目標は学校の年間計画を見る=国の資料に学年別の線は書かれていない

この4つは、どれも告示と省令に書いてある言葉と数字だけで決められることです。

この記事の数字は、2026年9月21日に取得した告示と省令の表記をそのまま写しました。

学習指導要領も施行規則も改定されることがあるので、進路の判断に使う前に最新の本文をご確認ください。

この記事を書くために開いた出典

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