園のお迎えで、英語教室のバッグを持った子とすれ違いました。
帰り道で、うちも通わせたほうがいいのかな、と考えます。
でも、いくらかかるのかが分からないので、体験の申し込みボタンを押せませんでした。
よその家がいくら払っているのかを、感覚ではなく数字で知りたかったので、文部科学省の調査を開いて読み直しました。
この記事に書いてあるのは、公的資料に書いてあったことと、書いていなかったことだけです。
英語の習い事の費用は、公立小学校で年3万6千円あたりから数えはじめる
先に結論を書きます。
文部科学省の令和5年度 子供の学習費調査には、「英語教室」という費目はありません。
外国語会話を習った費用は、「その他の学校外活動費」のうち「教養・その他」という区分に入ります。
同じ調査の令和5年度・公立小学校の「教養・その他」は、1年間で36,111円でした。
私立小学校では96,198円です。
月に直すと、公立で約3,000円、私立で約8,000円という水準になります。
⛔ ただし、この金額には注意が要ります。
これは「英語だけの額」ではありませんし、「通っている家庭だけの平均」でもありません。
なぜそう言えるのかを、次の見出しで定義から確かめます。
英語の習い事の費用がどの費目に入るのか、調査の定義で確かめた
調査の「項目別定義」に、区分の中身がそのまま書かれていました。
| 区分 | 定義(含まれる費用の範囲) |
|---|---|
| 教養・その他 | 習字、そろばん、外国語会話などを習うために支出した経費、一般図書・雑誌購入費、博物館などへの入場料・交通費、自主的な検定試験受験料など |
| 芸術文化活動 | 音楽、舞踊、絵画などを習うために支出した経費、芸術鑑賞、楽器演奏、演劇活動など |
| スポーツ・レクリエーション活動 | 水泳・野球・サッカー・テニス・武道・体操などのスポーツ技術を習うために支出した経費など |
| 国際交流体験活動 | 留学・ホームステイなど海外での学習・交流活動、自宅外で参加する国際交流イベントの参加費 |
| 学習塾費 | 学習塾へ通うための全ての経費(入会金、月謝、講習会費、教材費、模擬テスト代、交通費) |
出典=文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」(項目別定義)
外国語会話は、習字やそろばんや一般図書と同じ箱に入っているということです。
つまり36,111円の中には、英語以外の支出も混ざっています。
英語教室だけで年いくら、という数字は、この調査には書かれていません。
書かれていないものは、書かれていないままにします。
それでも使い道はあります。
この額は、家計のなかで「習字・そろばん・英会話の枠」に年いくら回っているかの実測値だからです。
英語の習い事の費用が入る枠を、学年別に並べてみる
平均だけだと、いつがピークなのかが見えません。
学年別の表から「教養・その他」だけを抜き出しました。
| 学年(年齢) | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園3歳 | 17,804円 | 19,517円 |
| 幼稚園4歳 | 22,029円 | 28,563円 |
| 幼稚園5歳 | 24,258円 | 29,662円 |
| 小学1年 | 36,673円 | 118,500円 |
| 小学2年 | 34,997円 | 124,595円 |
| 小学3年 | 38,792円 | 100,195円 |
| 小学4年 | 35,555円 | 97,571円 |
| 小学5年 | 40,071円 | 72,243円 |
| 小学6年 | 30,717円 | 63,178円 |
| 中学校(平均) | 19,205円 | 33,916円 |
出典=文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要」(表7 学年別その他の学校外活動費)
公立のピークは小学5年の40,071円で、そこから小6で30,717円まで下がります。
中学校に入ると、平均19,205円まで落ちます。
幼稚園3歳の17,804円と、中学校の19,205円が、ほぼ同じ水準です。
山のかたちが小学校にあって、中学で降りる、という形に見えました。
英語の習い事の費用は、学校外活動費のなかでどれくらいの位置か
家の外で使うお金は、調査では2つに分かれています。
- 補助学習費=予習・復習・補習のための支出(家庭内学習費、通信教育・家庭教師費、学習塾費など)
- その他の学校外活動費=けいこごと・スポーツ・文化活動など(この中に外国語会話が入る)
| 小学校 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 学校外活動費(合計) | 256,489円 | 709,667円 |
| うち補助学習費 | 112,485円(43.9%) | 366,436円(51.6%) |
| うちその他の学校外活動費 | 144,004円(56.1%) | 343,231円(48.4%) |
| うち教養・その他 | 36,111円 | 96,198円 |
| (参考)学習塾費 | 75,194円 | 259,492円 |
出典=同調査(表5 男女別・学年別学校外活動費/表6 学年別補助学習費/表7)
公立小学校で見ると、教養・その他の36,111円は、学校外活動費256,489円の約14%です。
けいこごと全体(144,004円)のなかでも、4分の1ほどにあたります。
いちばん大きいのはスポーツ・レクリエーション活動で、公立小学校の平均は66,529円でした。
英語を含む枠より、スイミングやサッカーの枠のほうが約1.8倍大きい、という並びです。
英語の習い事の費用は、世帯の年間収入でどれだけ変わるか
調査には、世帯の年間収入別の表もありました。
ここでは「その他の学校外活動費」(けいこごと全体)の額が出ています。
| 世帯の年間収入 | 公立小学校 | 私立小学校 |
|---|---|---|
| 400万円未満 | 9.9万円 | 24.3万円 |
| 400万〜599万円 | 10.8万円 | 17.7万円 |
| 600万〜799万円 | 13.5万円 | 22.0万円 |
| 800万〜999万円 | 16.7万円 | 23.1万円 |
| 1,000万〜1,199万円 | 18.5万円 | 30.3万円 |
| 1,200万円以上 | 21.8万円 | 43.0万円 |
出典=同調査(表10-3 世帯の年間収入別、学校種別その他の学校外活動費)
公立小学校では、400万円未満の9.9万円と1,200万円以上の21.8万円で、約2.2倍の差がありました。
収入が上がるほど、けいこごとの支出も上がる形です。
⛔ ただし、この調査には注記が付いています。
私立小学校の「400万円未満」は標準誤差率が21.41%と大きく、資料自体が「注意が必要」と書いています。
数字が大きく見えても、そのままは受け取らないほうがいい欄がある、ということです。
英語の習い事の費用が、途中から塾代に押される学年がある
この調査で私がいちばん見ておいてよかったのは、ここでした。
資料には、こう書かれています。
学校外活動費に占める割合は、公立は小学校第6学年以降、私立は小学校第4学年以降で「補助学習費」が「その他の学校外活動費」を上回る傾向にある、とあります。
実際、公立小学校の学習塾費は小4で80,935円、小5で106,550円、小6で145,161円と上がっていきます。
同じ時期に、教養・その他は小5の40,071円から小6の30,717円へ下がります。
英語を続けるかどうかを迫られるのは、塾代が立ち上がる小4〜小6のあたりだ、と数字が言っています。
始めるときに「いつまで続けるか」を考えておく理由が、ここにありました。
英語の習い事の費用として出ている数字が、税込なのか税抜なのか
金額を並べたので、税の扱いを確かめました。
この調査で「税込み」と明記されているのは世帯の年間収入の欄だけで、支出額そのものについて税込・税抜の区別は示されていません。
調査事項の説明に「世帯全体の1年間の収入(令和5年1月〜12月(税込み))」とあるのが、唯一の記載でした。
支出側は「保護者が支出した経費」という書き方です。
実際に払った額を答える形なので、消費税を含んだ支払い実額と読むのが自然ですが、資料がそう書いているわけではありません。
一方、教室が出す月謝には税別表記のものがあります。
⛔ 見積もりを比べるときは、税込なのか税別なのかを教室ごとに確認してから並べてください。
英語の習い事の費用が5万円を超えると、法律の保護が付く
ここからは、契約の話です。
消費者庁の特定継続的役務提供のページに、対象になる条件が書かれています。
| 役務 | 期間 | 金額 |
|---|---|---|
| 語学教室 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 家庭教師 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 学習塾 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| エステティック | 1月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
語学教室は、期間が2か月を超え、かつ総額が5万円を超えると、この法律の対象になります。
同じページには、金額の数え方も書いてありました。
入学金、受講料、教材費、関連商品の販売など、契約金の総額が5万円を超えていれば対象になる、という注記です。
月謝だけを見て「5万円もいかないから関係ない」と判断すると、ずれます。
年間一括払いや教材セット込みの案内は、総額で数えてみてください。
英語の習い事の費用について、契約の前後にもらう2枚の書面
対象になると、事業者には書面を渡す義務が生まれます。
渡される紙は2枚です。
- 概要書面=契約の締結前に渡す。役務の内容、対価その他支払うべき金銭の概算額、支払時期と方法、提供期間、クーリング・オフに関する事項、中途解約に関する事項ほか
- 契約書面=契約の締結後に遅滞なく渡す。役務の内容、支払うべき金銭の額、提供期間、クーリング・オフに関する事項、中途解約に関する事項、契約年月日ほか
費用のことだけで言うと、見るのは「支払わなければならない金銭の額」と「役務の提供期間」の2欄です。
月謝以外に何が積まれているのかが、ここに出ます。
同じページには、書面の作り方の決まりも書かれていました。
書面をよく読むべきことは赤枠の中に赤字で、クーリング・オフの事項も赤枠の中に赤字で、字の大きさは8ポイント以上と定められています。
赤枠が見当たらない紙を渡されたら、それ自体が確認の合図になります。
英語の習い事の費用をやめるとき、請求されてよい上限額
合わなかったときに、いくら戻るのか。
ここも金額で決まっていました。
まず、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面または電磁的記録でクーリング・オフができます。
このとき消費者は、損害賠償や違約金を支払う必要はなく、すでに払った頭金などは速やかに返してもらえる、と書かれています。
8日を過ぎた後は、中途解約です。
| 解約のタイミング(語学教室) | 事業者が請求できる額の上限 |
|---|---|
| 役務の提供開始前 | 1万5000円 |
| 役務の提供開始後 | 提供済みの対価に相当する額+(5万円または契約残額の20%のいずれか低い額) |
これを上回る額をすでに受け取っている場合、事業者は残額を返還しなければならない、とも書かれています。
語学教室の関連商品には、書籍(教材を含む)、CD・DVDなど、ファクシミリ機器・テレビ電話が指定されています。
本体の契約を解約すれば、こうした関連商品もあわせて解約できる、という仕組みです。
ただし、学習塾や家庭教師は上限の決め方が語学教室と違います。
どの役務にあたる契約なのかは、書面の文言で確かめてください。
英語の習い事の費用について、今日うちで決められること
読んで終わりにしないために、今日できることを3つに絞りました。
- 年の上限を先に決める。 公立小学校の「教養・その他」は年36,111円(月約3,000円)が実測値。この線を基準に、うちはいくらまでかを紙に書く
- 総額で見積もる。 月謝×12だけでなく、入会金・教材費・イベント費を足して、2か月超・5万円超に当たるかを数える
- やめる条件を先に書いておく。 塾代が立ち上がる小4〜小6で判断が来る。「いつまで」「どうなったら見直すか」を始める前に決めておく
私は、この3つを冷蔵庫に貼ってから体験に申し込むことにしました。
金額の話を、教室の前で初めて考えなくて済むからです。
よその家がいくら払っているかは、分かりました。
そのうえで、うちがいくら払うかは、うちの数字で決めていいのだと思います。
英語の習い事の費用を確かめた出典
- 文部科学省 子供の学習費調査
- 文部科学省 令和5年度子供の学習費調査(結果の概要)
- 令和5年度子供の学習費調査結果のポイント(PDF)
- 令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要(PDF)
- 消費者庁 特定継続的役務提供
- 消費者庁 特定商取引法
英語の習い事の費用に関する情報の確認日と免責
本記事の内容は、2026年9月12日に上記の公式ページを開いて確認したものです。
引用した金額は、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(令和8年1月16日差替版)の数値です。
制度・料金・公開資料は変わることがあります。
実際に支払う金額は教室ごとに異なるので、最新の条件は各教室の書面と公式ページでご確認ください。
この記事は特定の教室や教育方法をすすめるものではなく、公的資料に書かれていることと書かれていないことを整理したものです。
契約でわからないことがあるときは、消費者ホットライン「188」など、公的な相談窓口にご相談ください。
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