MENU

小学生の英検は何級から?公益財団法人 日本英語検定協会の公式ページと学習指導要領だけで確かめた

学童のお迎えで、同じクラスのお母さんに「うちの子、英検5級受けるんだ」と言われました。

そのときの私の頭の中は、たぶん顔に出ていたと思います。

小学生って、英検を受けていいんだっけ。受けるとしたら、何級からなんだっけ。

帰り道でスマホを開いたら、まとめ記事が何十本も出てきて、書いてあることが少しずつ違いました。

なので私は、公益財団法人 日本英語検定協会の公式ページと、文部科学省の小学校学習指導要領だけを開いて、そこに書いてある文字だけを写しました。

この記事に書いてあるのは、その2つに書いてあったことと、書いていなかったことだけです。

TOC

小学生の英検は何級から、という決まりは公式ページに書かれていなかった

先に、いちばん知りたいところの答えを書きます。

英検の公式ページを開いて、「受験資格」「年齢制限」という言葉を機械で検索しました。

各級の目安・各級の審査基準・検定料・試験日程・5級/4級/3級の試験内容、この範囲で1件も出てきませんでした。

つまり「小学生は◯級から」という線引きは、私が読んだ公式ページの中には書かれていません。

代わりに書いてあったのは、こちらの1文でした。

「英検は小学生から社会人まで幅広い方を対象とした検定試験です。」(日本英語検定協会 各級の目安より)

級は学年で決まっているのではなく、「推奨目安」という一本のものさしの上に並んでいるだけです。

だから親が決めるのは「何級から受けられるか」ではなく、「うちの子はこのものさしのどこにいるか」でした。

そのものさしを、次から順番に写していきます。

小学生が受ける英検の級を、公式の「推奨目安」の表で位置づける

英検は1級から5級まで、全部で8つの区分があります。

公式ページが各級に付けている「推奨目安」を、そのまま並べました。

級推奨目安審査基準の「程度」
5級中学初級程度初歩的な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる
4級中学中級程度簡単な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる
3級中学卒業程度身近な英語を理解し、また使用することができる
準2級高校中級程度日常生活に必要な英語を理解し、また使用することができる
準2級プラス高校上級程度身近な話題であれば、社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる
2級高校卒業程度社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる
準1級大学中級程度社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる
1級大学上級程度広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる

出典=日本英語検定協会 各級の目安/同 各級の審査基準

この表を見て、私は少し気が楽になりました。

いちばん下の5級でも「中学初級程度」と書いてあるので、小学生が受けるなら5級が出発点になります。

そして5級より下の級は、英検には存在しません。

「5級より手前」を測りたいときの道具は別にあって、それが後で出てくる英検Jr.です。

小学生に関係する英検5級・4級・3級で「できる」とされていること

推奨目安だけだと、正直ぴんときませんでした。

そこで、英検Can-doリストという公式の一覧を開きました。

これは「その級に合格するのに求められる、英語で何ができなければならないか」を示したものです。

級読む話す
5級日常的な話題について、初歩的な語句で書かれた短い文章から必要な情報を読み取ることができる自分の関心のある事柄を初歩的な語句を用いて簡単に話して伝えることができる
4級日常的な話題について、初歩的な語句で書かれた短い文章の概要を読んで捉えることができる自身の考えや感想を初歩的な語句を用いて、まとまりのある内容で簡単に話して伝えることができる
3級日常的な話題について、基本的な語句で書かれた短い文章の概要や要点を読んで捉えることができる自身の考えや感想を基本的な語句を用いて、理由を含めて話して伝えることができる

出典=日本英語検定協会 英検Can-doリスト

並べて読むと、5級から3級への階段が3段で上がっているのが分かります。

5級は「必要な情報を読み取る」。

4級は「概要を捉える」。

3級は「概要や要点を捉える」うえに、話すときは理由を付ける。

この「理由を付ける」が、3級で急に重くなるところでした。

公式のタスク例には、3級の話す例として「学校の授業などで日常的に議論する話題に対して、自分の考えや意見、気持ちを理由とともに話して伝える」と書かれています。

小学生の英検は、級によって試験の形そのものが変わる

級の差は「内容が難しくなる」だけではありませんでした。

試験の形が、3級で切り替わります。

級一次試験スピーキング二次試験
5級リーディング25分/リスニング約20分録音形式・約3分(任意)なし(一次試験のみ)
4級リーディング35分/リスニング約30分録音形式・約4分(任意)なし(一次試験のみ)
3級リーディング・ライティング65分/リスニング約25分面接形式英語での面接 約5分

出典=5級の過去問・試験内容/4級/3級

5級と4級には、ライティングも二次試験もありません。

スピーキングテストはありますが、公式ページには「スピーキングテストは級認定には影響せず、スピーキングテスト単位で合否判定されます」と書かれています。

3級からライティング試験と面接試験が加わる、というのが公式の説明です。

低学年の子に3級を、といきなり言えない理由が、ここではっきりしました。

鉛筆で英文を書く力と、初対面の大人と英語で5分向き合う度胸が、同時に要ります。

小学生が英検を申し込むとき、選べる会場は申込の種類で決まる

ここは、私がいちばん勘違いしていたところです。

申し込みの種類は「団体申込」と「個人申込」の2種類だけです。

申込の種類試験会場試験日程受験票・成績表
団体申込(通っている学校・塾など)準会場/本会場団体によって異なる英検担当の先生から受け取る
個人申込本会場のみ協会が定める本会場の試験日協会から登録住所へ郵送

出典=日本英語検定協会 試験日程・受験案内(受験を検討している方)

準会場は、親が個人で申し込んでも選べません。

子どもが通う学校や塾が英検を実施していれば、そこが準会場になります。

実施していない場合でも、近隣の「一般受験者受け入れ団体」で受けられることがある、と公式ページには書かれています。

この2つが使えないときに、初めて個人申込(本会場)になります。

つまり最初にやることは、申込サイトを開くことではなく、学校か塾に「英検やってますか」と聞くことでした。

小学生の英検にかかるお金は、会場によって倍近く変わる

会場の話が先だった理由が、お金を見ると分かります。

以下はすべて、英検公式ページの表記どおり税込の金額です(2026年度・単位:円)。

級本会場準会場(団体申込のみ)英検S-CBT
5級4,000円2,400円実施なし
4級4,600円2,800円実施なし
3級6,800円4,900円7,700円
準2級8,400円6,000円9,000円
準2級プラス8,600円6,300円9,200円
2級9,000円6,800円9,600円

出典=日本英語検定協会 検定料/同 個人でのお申し込み/英検S-CBT 検定料

5級を準会場で受けると2,400円、本会場だと4,000円。同じ試験で1,600円ちがいます。

公式ページには「2026年度の検定料は、2025年度の検定料より一律100円引き下げております」とも書かれていました。

ただし準会場は団体申込のときだけの選択肢なので、値段だけで選ぶことはできません。

なお1級と準1級は本会場のみ、4級と5級は一次試験のみ、と注記されています。

小学生がよく聞く英検S-CBTは、5級・4級では受けられない

「毎週土日に受けられる英検がある」と教えてもらって、私も調べました。

英検S-CBTのことで、全国47都道府県のテストセンターでコンピューターを使って受ける形式です。

ただし公式ページには、こう書かれていました。

「現在、準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級のみ実施しています。」

5級と4級はS-CBTの対象外なので、小学生が最初に受ける級では選べません。

従来型の英検は、公式の日程表を見ると年に3回(第1回・第2回・第3回)です。

二次試験の日程は年齢で分かれていて、満20歳以下の受験者はB日程、満21歳以上はA日程と書かれています。

小学生が3級を受ける場合は、B日程の側になります。

小学生の英検Jr.は、合否の出ない別のテストだった

5級より手前を測りたいときの道具が、英検Jr.です。

公式ページによると、1994年に開発された児童向けの「育成型ゲーム感覚」のリスニングテストと説明されています。

いちばん大きな違いは、合否が出ないことです。

「成績は合否ではなく、『正答率』で表示」と、公式ページにそのまま書いてあります。

グレード小問数(大問数)テスト時間ペーパー版の受験料(税込)
BRONZE40問(7問)約30分2,500円
SILVER45問(9問)約35分2,700円
GOLD50問(9問)約45分2,900円

出典=日本英語検定協会 英検Jr. 3つのグレードと目安/同 英検Jr. 受験案内

ペーパー版はグループ会場だけで、個人では申し込めません。

「2011年度から英検Jr.公開会場は設置しないことにいたしました」と公式に書かれていて、個人で受けるならオンライン版を使う形になります。

オンライン版のテストのみ(有効期限3ヵ月)は、BRONZE 2,300円・SILVER 2,500円・GOLD 2,700円と記載されています(いずれも税込)。

小学生が英検Jr.から英検5級へ進む道は、公式が表で示していた

ここが、私にとっていちばんの収穫でした。

英検Jr.の公式ページには「学習状況を基準にした目安」という表があって、その最後の行に英検5級が出てきます。

そこに書かれていたのは、次の2行でした。

  • SILVERを受け80%以上正解し、長い文章や会話を聞く音声学習よりも、単語や文を読む文字学習に力を入れている児童 → 2回目以降は英検5級
  • GOLDを受け80%以上正解し、単語や文を読む学習もしており、合否を気にせず力試しをしたい児童 → 2回目以降は英検5級

つまり公式が示している合図は、学年ではなく「80%以上正解したか」と「文字を読む学習をしているか」の2つでした。

同じ表には、学習経験を基準にした目安も載っています。

BRONZEは小学校での英語活動が1年半〜2年程度、SILVERは2年半〜3年半程度、GOLDは4年〜5年程度、という書き方です。

GOLDの目安が「小学校での英語活動4年〜5年」なので、小学校の6年間をまるごと使ってGOLD、という位置づけになります。

小学生が学校で習う範囲だけなら、英検は何級まで届くのか

ここからは、英検の公式ページを離れて、学校側の数字と並べます。

文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)の別表第一に、授業時数が書いてあります。

学年教科等年間の授業時数扱う領域
小1・小2外国語の欄なし——
小3・小4外国語活動35単位時間聞くこと/話すこと[やり取り]/話すこと[発表]の3領域
小5・小6外国語70単位時間上の3領域+読むこと/書くことの5領域

出典=文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年告示)(別表第一・第10節 外国語・第4章 外国語活動)。同告示の備考に「この表の授業時数の一単位時間は、四十五分とする」とあります。

告示には、小5・小6で扱う語について「600〜700語程度の語」と書かれています。

そして「書くこと」の目標は、こうなっています。

「大文字,小文字を活字体で書くことができるようにする。また,語順を意識しながら音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができるようにする。」

「読むこと」も、活字体の文字を識別して読み方を発音できること、音声で慣れ親しんだ表現の意味が分かること、までです。

ここで、英検の側の要求と突き合わせます。

3級は一次試験にライティングがあり、二次試験で理由を付けて話すことが求められます。

小学校の「書くこと」は書き写しと例文を参考にした文までなので、3級の要求とははっきり段差があります。

一方で5級と4級は、ライティングも二次試験もありません。

読む・聞く中心のつくりなので、学校の授業で積み上がる力と重なる部分が大きくなります。

⛔ ただし、これは試験の形と学校の目標を並べただけです。

「学校の授業だけで5級に受かる」と書いた公的資料は、私が読んだ範囲では見つかりませんでした。

言えるのは「5級・4級のほうが学校の範囲と地続き、3級からは別の力が要る」というところまでです。

小学生の英検受験は、実際にどれくらいの人数が受けているのか

「周りはどうなんだろう」が気になったので、公式の数字も見ました。

2025年度実施分の志願者数は、小学校以下が516,844人、全体が4,543,122人です。

これは実用英語技能検定・英検IBA・英検Jr.の合算だと注記されています。

全体に占める小学校以下の割合は、約11%です。

少なくない数ですが、「みんな受けている」と言えるほどでもありません。

出典=日本英語検定協会 受験の状況

小学生の英検を何級から受けるか、今日うちで決められること

調べ終えて、うちが今日できることは3つに絞れました。

  • 学校か塾に「英検を実施しているか」を聞く。準会場が使えるかどうかで、5級なら2,400円と4,000円(いずれも税込)の差になります。
  • 子どもがアルファベットの大文字・小文字を書けるかを、紙1枚で確かめる。学習指導要領が小5・小6の目標にしている線がここなので、5級に向かうかの手がかりになります。
  • 英検Jr.のサンプル問題を1回やらせて、正答率を見る。公式が5級への合図として挙げているのが「80%以上正解」なので、感覚ではなく数字で判断できます。

この3つは、どれも今日のうちに終わります。

そして私が手放したのは、「何年生だから何級」という考え方でした。

公式ページのどこにも、学年で級を決める表は無かったからです。

書いてあったのは「推奨目安」と「学習状況を基準にした目安」で、どちらも子どもの今の状態を見る道具でした。

小学生の英検は何級か、を調べるときに開いた公式ページ

小学生の英検に関する情報の確認日と免責

本記事の内容は、2026年9月12日に上記の公式ページを開いて確認したものです。

検定料は英検の公式ページの表記どおり、すべて税込で記載しています。

制度・検定料・日程は変わることがあります。最新の情報は、必ず英検の公式ページでご確認ください。

子どもの発達には個人差があります。

この記事は合格を保証するものではなく、公式ページと公的資料に書かれていることと書かれていないことを整理したものです。

受験の可否や級の選び方で迷うときは、お子さんを直接見ている学校・塾の先生にご相談ください。

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

TOC