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小学生の英語で「アルファベット」は告示に0件だった。国が書いているのは「活字体の大文字,小文字」の1行

子どもが持ち帰った英語のプリントに、大文字と小文字が並んでいました。

私は「アルファベットの書き順って、どこかに決まりがあるのかな」と思って調べ始めました。

ところが、国が出している告示を開いたら「アルファベット」という言葉そのものが見つかりませんでした。

そこで、小学校学習指導要領(平成29年告示)の全文をテキストにして、機械で数え直しました。

この記事に書いてあるのは、その数えた結果と、告示の本文に書いてあった言葉だけです。

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小学生の英語で「アルファベット」という言葉は告示に0件だった

まず数えた結果を書きます。

小学校学習指導要領(平成29年告示)の全文を検索して、「アルファベット」は0件でした。

念のため中学校学習指導要領(平成29年告示)の全文も同じやり方で数えましたが、こちらも0件でした。

小学校でも中学校でも、国の告示には「アルファベット」というカタカナ語が1度も使われていません。

これは「アルファベットを教えていない」という意味ではありません。

同じものを、別の言葉で書いているだけです。

数えた語小学校の告示中学校の告示
アルファベット0件0件
活字体7件7件
大文字3件4件
小文字4件4件
書き順0件0件
なぞり0件0件
四線0件0件
ブロック体0件0件
小学校・中学校学習指導要領(平成29年告示)の全文テキストを検索した件数(2026年9月18日実施)

小学生の英語で国が使っている言葉は「活字体の大文字,小文字」だった

告示の「内容」の中に、扱う言語材料を並べた箇所があります。

その中の「文字及び符号」という項目に、こう書かれています。

「(ア) 活字体の大文字,小文字」

これが、国が定めた言い方です。

「活字体」と書かれているので、教科書で使われる印刷された形の文字が対象だと読めます。

同じ項目には、もう1つ並んでいました。

「(イ) 終止符や疑問符,コンマなどの基本的な符号」です。

文字のほかに扱うものとして書かれているのは、この符号の1行だけでした。

小学生の英語では、読むほうの目標が「識別して発音する」だった

告示には、5つの領域ごとに目標が書かれています。

「読むこと」の1つ目の目標は、こうです。

「ア 活字体で書かれた文字を識別し,その読み方を発音することができるようにする。」

「識別」と「読み方を発音する」の2つに分かれているのが特徴です。

つまり、どの文字かを見分けることと、その文字の読み方を声に出すことが別に書かれています。

単語を読むことではなく、まず1文字の識別と発音が目標として置かれているということです。

小学生の英語では、書くほうは「書き写す」までしか書かれていない

「書くこと」の目標も、そのまま引きます。

「ア 大文字,小文字を活字体で書くことができるようにする。また,語順を意識しながら音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができるようにする。」

ここで目に留まったのは「書き写す」という言葉でした。

自分で文を組み立てて書くことは、この目標には入っていません。

しかも「音声で十分に慣れ親しんだ」という条件が、書き写す前に付いています。

先に耳と口で慣れてから、あとで文字にする順番が、条文の語順そのものに出ています。

もう1つの目標では、自分のことを書く活動も出てきます。

そちらにも「例文を参考に」「音声で十分に慣れ親しんだ」という条件が付いています。

小学生の英語の文字の活動は、3つの形で書かれていた

告示には、目標のほかに具体的な「言語活動」の例も並んでいます。

文字に関係するものを抜き出すと、3つでした。

領域告示に書かれている活動
読むこと活字体で書かれた文字を見て,どの文字であるかやその文字が大文字であるか小文字であるかを識別する活動
読むこと活字体で書かれた文字を見て,その読み方を適切に発音する活動
書くこと文字の読み方が発音されるのを聞いて,活字体の大文字,小文字を書く活動
小学校学習指導要領(平成29年告示)外国語より(2026年9月18日取得)

3つ目は「読み方が発音されるのを聞いて書く」という順番になっています。

お手本を見て写すのではなく、音を聞いて文字を書く形です。

大文字か小文字かを「識別する」ことが、独立した活動として1行使って書かれているのも特徴でした。

小学生が最初に英語の文字の形に出会うのは、国語の授業だった

これは数えていて意外だった点です。

「ローマ字」という言葉は、小学校の告示に3件ありました。

そして、それが出てくるのは外国語の章ではなく、国語の章です。

「第3学年においては,日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,ローマ字で書くこと」と書かれています。

つまり3年生の国語で、ローマ字を読んで書くことが先に置かれています。

教科としての外国語が始まるのは5年生なので、文字の形に触れる順番としては国語のほうが先になります。

さらに、そのローマ字の指導について、こういう配慮も書かれていました。

「コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得し」と関連づけるように、という書き方です。

国語のローマ字は、キーボード入力とつながる位置に置かれているということです。

小学生の英語に「書き順」「なぞり書き」は書かれていない

私が最初に知りたかった書き順の話に戻ります。

「書き順」は小学校の告示に0件、中学校の告示にも0件でした。

「なぞり」「四線」「ブロック体」も、どちらの告示でも0件です。

国が決めているのは「活字体の大文字,小文字を書くことができるようにする」という到達点だけで、書き方の手順までは書かれていません。

だから、教科書やドリルに出てくる書き順や矢印は、告示ではなく作った側の工夫だということになります。

家で書き順が違っていても、告示の側に違反する決まりは書かれていません。

ただし、学校で使っている教材がどの形をお手本にしているかは、学校ごとに違います。

小学生の英語では筆記体は出てこない(中学校側に1件だけあった)

「筆記体」も数えました。

結果は1件で、その1件は「生徒の学習負担にも配慮しながら」という言い方をしている箇所でした。

「児童」ではなく「生徒」と書かれているので、これは中学校側の条文です。

その本文は「文字指導に当たっては,生徒の学習負担にも配慮しながら筆記体を指導することもできることに留意すること」です。

「指導することもできる」という書き方なので、必ずやるものとしては書かれていません。

小学生のうちに筆記体を練習させる根拠は、告示の中には見つかりませんでした。

小学生の英語では、文字より前に「音声」が5つ並んでいた

告示の「内容」で、文字及び符号の項目のすぐ前に置かれているのが「音声」です。

そこには、扱う事項が5つ並んでいました。

順告示に書かれている音声の事項
ア現代の標準的な発音
イ語と語の連結による音の変化
ウ語や句,文における基本的な強勢
エ文における基本的なイントネーション
オ文における基本的な区切り
小学校学習指導要領(平成29年告示)外国語「英語の特徴やきまりに関する事項」より(2026年9月18日取得)

5つとも耳と口で扱うもので、文字は1つも入っていません。

告示の並び順としては、音声が先で、文字及び符号が次です。

書くことの目標にも「音声で十分に慣れ親しんだ」という条件が付いていたので、順番は本文の2か所で一致しています。

家でアルファベットの練習だけを先に積みたくなったとき、私はこの並び順を思い出すようにしています。

告示の側は、文字を書かせる前に音で慣れる時間を置く組み立てになっているという読み方です。

小学生の英語のアルファベットで、今日家で決められること

ここまでで分かったことを、家の作業に置き換えます。

  • お手本は活字体にする=告示が扱うと書いているのは「活字体の大文字,小文字」なので、飾りのある書体は避ける
  • 大文字と小文字を「見分ける」練習を1つ入れる=識別が独立した活動として書かれている
  • 音を聞いて書く形を試す=「読み方が発音されるのを聞いて書く」が告示の活動に入っている
  • 書き順の正しさで叱らない=告示に書き順の規定は0件で、教材ごとの工夫にあたる
  • 3年生なら国語のローマ字も一緒に見る=ローマ字は国語の第3学年に置かれている

どれも、告示の本文に出てくる言葉をそのまま使って決められることです。

件数は、2026年9月18日に文部科学省が公開している告示のPDFをテキストにして数えた値です。

告示は改訂されることがあるので、最新の本文は文部科学省のページでご確認ください。

この記事を書くために開いた出典

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