MENU

中学生の英語の塾は8日でやめられる|特商法48条と別表第四を読んだ

中学生の英語の塾を申し込む前に、私は契約の側の決まりを法律の条文で確かめました。

気になったのは「合わなかったときに何日でやめられるのか」と「違約金がいくらまでなのか」です。

そこで塾のサイトの規約ではなく、e-Gov法令検索で法律と政令の原文を開きました。

あわせて学校教育法施行規則の別表第二で、学校の授業時数も確かめています。

この記事に書いてあるのは、法律と政令と省令の条文に書いてあったことだけです。

TOC

中学生の塾の契約は、特定商取引法の対象になることがある

塾の契約は、特定商取引に関する法律の「特定継続的役務提供」の章で扱われます。

第41条第2項は、この章の役務を「国民の日常生活に係る取引において有償で継続的に提供される役務」と定義しています。

条件は2つで、心身や身上に関する目的で誘引が行われることと、その目的が実現するかどうかが確実でないことです。

成績が上がるかは確実でない、という前提でこの章が作られていると読めます。

この記事は条文を写したもので、個別の契約についての判断は消費生活センターなどにご相談ください。

中学生の塾が対象になるのは「2月」と「5万円」を超えたとき

すべての塾の契約がこの章に入るわけではありませんでした。

第41条第1項第1号は「政令で定める期間を超える期間」と「政令で定める金額を超える金銭」を条件にしています。

金額は施行令第24条第2項が「五万円とする」と定めています。

期間は施行令の別表第四で、学力の教授も語学の教授も「二月」と定められています。

つまり2月を超える期間で、5万円を超える契約が対象です。

1か月だけの講習や、総額5万円以下の契約は、この章の外に置かれる作りになっています。

中学生の塾の契約では、書面が2回渡される決まりになっている

書面の交付は第42条が定めています。

第42条第1項は「当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに」概要を記載した書面を交付しなければならないとしています。

第42条第2項は、締結したときに「遅滞なく」内容を明らかにする書面を交付しなければならないとしています。

第2項が挙げる記載事項には、役務の内容・対価の額・支払の時期と方法・役務の提供期間が並びます。

第48条の解除に関する事項と、第49条の解除に関する事項も、書かせる項目に入っています。

役務の提供に際して購入する必要のある商品があるときは、その商品名も書かせる作りです。

中学生の塾をクーリングオフできるのは8日と書かれている

解除の期間は第48条第1項です。

原文は「第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したときを除き、書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる」です。

起算点は契約書面を受け取った日なので、書面が届いていない間は8日が始まりません。

第48条第3項は「通知を発した時に、その効力を生ずる」としています。

第48条第4項は、その解除に伴う損害賠償や違約金の支払を請求できないとしています。

第48条第5項は、返還や引取りに要する費用を事業者側の負担としています。

中学生の塾で買った教材も、一緒に解除できる形になっている

入塾のときに買う教材の扱いも書かれていました。

第48条第2項は、購入する必要のある商品として政令で定めるものを「関連商品」と呼び、その販売契約も同じように解除できるとしています。

学力の教授と語学の教授の関連商品は、施行令の別表第五の三に挙げられています。

  • ①書籍
  • ②電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法により音、影像又はプログラムを記録した物
  • ③ファクシミリ装置及びテレビ電話装置

テキストやDVDやアプリの記録物は、①と②に当たる書き方になっています。

ただし第48条第2項のただし書きには、使用や消費で価額が著しく減少するおそれがある商品を使った場合の例外もあります。

中学生の塾を8日より後にやめるときは、第49条になる

8日を過ぎても、やめる道は別に用意されています。

第49条第1項は、8日を経過した後は「将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる」としています。

第49条第2項は、事業者が請求できる金額に上限を置いています。

提供開始後は「提供された特定継続的役務の対価に相当する額」と政令で定める額を合算した額までです。

提供開始前は、契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として政令で定める額までです。

損害賠償額の予定や違約金の定めがあっても、この上限を超える請求はできありません。

中学生の塾と家庭教師と英会話で、上限の額が違っていた

第49条の上限の金額は、施行令の別表第四に並んでいます。

別表第四の項どんな契約か解除によって通常生ずる損害の額締結・履行に通常要する費用の額
三語学の教授(入試準備と補習を除く)5万円又は契約残額の100分の20に相当する額のいずれか低い額1万5千円
四入学試験の準備・学校教育の補習(事業所以外の場所で提供)5万円又は1月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額2万円
五入学試験の準備・学校教育の補習(事業所などで提供)2万円又は1月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額1万1千円
特定商取引に関する法律施行令 別表第四より

教室に通う形は五、家に来てもらう形は四という分け方が、場所の括弧書きで書かれています。

別表第四の五の項では、対象が学校教育法第1条に規定する学校の児童・生徒・学生に限られています。

どの項に当たるかは条文からは決められないので、ここでは条文の違いだけを書いておきます。

中学生の英語の塾を、学校の授業時数と並べてみる

塾の時間を足す前に、学校の側の時間を確かめました。

区分第1学年第2学年第3学年
外国語140140140
国語140140105
数学140105140
総授業時数101510151015
学校教育法施行規則 別表第二より

備考にはこの表の授業時数の一単位時間は、五十分とすます。

第73条は、この授業時数を「標準とする」としています。

外国語は3学年とも140単位時間なので、50分換算で1学年あたり約117時間です。

中学生の英語で塾が補う量を、告示の語数から考える

扱う量も告示で決まっています。

中学校学習指導要領の外国語には小学校で学習した語に1600〜1800語程度の新語を加えた語です。

小学校側は「600〜700語程度の語」なので、3年間の終わりで合わせて2200〜2500語程度です。

この語数を140単位時間×3学年で扱う、というのが学校側の枠組みです。

塾の説明を聞くときは、この枠のどこを補う話なのかを確かめると噛み合います。

中学生の英語の塾について、条文に書いていなかったこと

読んでも分からなかったことも並べておきます。

  • ①返金までの日数=何日以内に返金するかの期限は第48条には書かれていない
  • ②オンライン指導の場所=画面越しの授業がどの項に当たるかは条文からは決められない
  • ③通知の書き方=はがきや内容証明といった具体的な手段は条文に書かれていない
  • ④塾の良し悪し=指導の質についての基準は、この法律の条文には無い

条文に無いことは、この記事でも書きませんでした。

中学生の英語の塾を決める前に、家で確かめられる4つ

ここまでの条文だけで確かめられることを並べます。

  • ①期間と総額を見る=2月を超えて5万円を超えるならこの章の対象になる
  • ②書面を受け取った日を残す=8日はその日から起算する
  • ③教材の契約が別紙か見る=関連商品なら第48条第2項で一緒に解除できる
  • ④中途解約の上限を見る=別表第四の五なら2万円か1月分の低い額が上限になる

この記事の条文は、2026年9月21日にe-Gov法令検索で取得した原文をそのまま写しました。

法令は改正されることがあるので、契約の前に最新の条文と消費生活センターでご確認ください。

この記事を書くために開いた出典

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

TOC