高校の英語の単語数が3年間でいくつになるのかを、高等学校学習指導要領(平成30年文部科学省告示第68号)の原文だけで数えました。
中学校の単語数を数えたときに、その先がどうなっているのかが分からないままでした。
参考書の「高校で2000語」という書き方ではなく、告示のPDFを開いて、語数が書いてある箇所を全部拾っています。
この記事に書いてあるのは、その告示に書いてあったことだけです。
高校の英語の単語数は、新語で1800〜2500語程度だった
告示の第2章第8節「外国語」には、語数が3か所に書かれていました。
科目ごとに「◯◯語程度の新語を加えた語」という形で、別々の数字が置かれています。
3つを足すと、高校の3年間で加わる新語は1800〜2500語程度になります。
| 科目 | 加わる新語 |
|---|---|
| 英語コミュニケーションⅠ | 400〜600語程度 |
| 英語コミュニケーションⅡ | 700〜950語程度 |
| 英語コミュニケーションⅢ | 700〜950語程度 |
| 合計 | 1800〜2500語程度 |
「高校で2000語」は、この幅の真ん中あたりを指した言い方でした。
告示そのものには、合計の数字は1つも書かれていません。
3つの科目の数字を足し算するのは読む側の仕事になっています。
高校の英語の単語数の内訳は、英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲの3段で積まれる
3か所の書き方が、それぞれ違っていました。
英語コミュニケーションⅠの2の(1)のウの(ア)は、「小学校及び中学校で学習した語に 400〜600 語程度の新語を加えた語」です。
英語コミュニケーションⅡの2の(1)は、「『英語コミュニケーションⅠ』の2の(1)のウの(ア)で示す語に 700〜950 語程度の新語を加えた語とする」でした。
Ⅲも同じ書き方で、Ⅱの2の(1)で示す語に 700〜950 語程度を足します。
どれも前の科目の語に新語を足す積み上げ方でした。
学年ごとにゼロから配り直すのではなく、前の科目の語をそのまま土台にしています。
第3款の(2)にも、「『英語コミュニケーションⅡ』は『英語コミュニケーションⅠ』を、『英語コミュニケーションⅢ』は『英語コミュニケーションⅡ』を履修した後に履修させることを原則とする」とありました。
順番が原則として決まっているので、Ⅱから始まることはありません。
高校の英語の単語数に、論理・表現Ⅰ〜Ⅲの新語は足されていない
高校の外国語の科目は6つあります。
別表第三(一)の外国語の欄に並んでいるのは、英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲと、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲでした。
このうち論理・表現Ⅰの2の(1)には、語数の数字がありません。
書かれているのは、小学校・中学校の学習指導要領と「英語コミュニケーションⅠ」の2の(1)に示す言語材料のうち、「三つの領域別の目標を達成するのにふさわしいものを適宜取り扱うものとする」という扱いです。
論理・表現Ⅱとその次のⅢも、「『論理・表現Ⅰ』の2の(1)と同様に取り扱うものとする」でした。
論理・表現の3科目では、新しく語数が増えません。
つまり高校の英語の単語数は、英語コミュニケーションの3科目だけで決まっています。
論理・表現は、同じ語を使って話す・書く側に回す科目という位置づけでした。
小学校と中学校を足すと、高校卒業までの英語の単語数は4000〜5000語になる
高校の数字は、その前の9年間の上に積まれています。
小学校で学習する語は600〜700語程度で、中学校は「小学校で学習した語に 1600〜1800 語程度の新語を加えた語」でした。
ここに高校の1800〜2500語程度が乗ります。
| 学校 | 加わる新語 | そこまでの累計 |
|---|---|---|
| 小学校 | 600〜700語程度 | 600〜700語程度 |
| 中学校 | 1600〜1800語程度 | 2200〜2500語程度 |
| 高校 | 1800〜2500語程度 | 4000〜5000語程度 |
高校を出るまでに触れる語は、累計で4000〜5000語程度になります。
いちばん多く増えるのが高校の3年間で、全体の半分近くがここに入っています。
中学校の1600〜1800語をどう見るかは、中学生の英語の単語数を告示で数えた記事に書きました。↓

高校の英語の単語数を授業のコマ数で割ると、1コマあたり3〜4語
高校の授業は、時数ではなく単位で数えます。
標準単位数の表では、英語コミュニケーションⅠが3単位、Ⅱが4単位、Ⅲが4単位、論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが各2単位でした。
外国語の6科目を全部履修すると、合計で17単位になります。
第1章第2款の(1)のアに、「単位については,1単位時間を 50 分とし,35 単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする」とあります。
17単位は595単位時間で、1コマ50分なら約496時間です。
- 英語コミュニケーションⅠ=3単位=105単位時間
- 英語コミュニケーションⅡ=4単位=140単位時間
- 英語コミュニケーションⅢ=4単位=140単位時間
- 論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ=各2単位=各70単位時間
1800〜2500語を595単位時間で割ると、1コマあたり3.0〜4.2語になります。
小学校の5・6年が年70単位時間だったことは、小学校の英語の授業時数を省令の別表で数えた記事で確かめています。↓

1回の授業で新しく出てくる語は、3語か4語という計算です。
小学校を同じやり方で割ったときが1コマ2.9〜3.4語だったので、1コマの負荷はそれほど変わっていません。
増えているのはコマ数のほうでした。
高校の英語の単語数のうち、全員が必ず通るのは400〜600語だけ
6科目のうち、全員が履修するのは1つでした。
第1章第2款の3の(2)のアの(ア)のクは、「外国語のうち『英語コミュニケーションⅠ』」です。
必履修教科・科目として名前が挙がっているのは、この1科目だけでした。
同じ(ア)には、「特に必要がある場合には,『数学Ⅰ』及び『英語コミュニケーションⅠ』については2単位とすることができ」という但し書きもあります。
制度として全員に保証されているのは、英語コミⅠの400〜600語です。
残りの1400〜1900語程度は、学校が置く科目と本人の選択で決まります。
学科やコースによって、高校で増える語数は倍近く変わる形になっていました。
進路の話をする前に、学校のシラバスで英語コミュニケーションⅡ・Ⅲが置かれているかを見ると、単語数の見通しが立ちます。
高校の英語の単語数は「覚える語数」ではなく「指導する語」と書かれている
数字の周りの言葉も読みました。
告示の見出しは「語,連語及び慣用表現」で、その項目は「〔知識及び技能〕」の中にあります。
英語コミュニケーションⅡ・Ⅲの本文は、「ただし,指導する語については」という書き出しでした。
語数の箇所に「暗記する」「覚える」は0件でした。
同じ(1)の前置きが求めているのは、「言語材料と言語活動とを効果的に関連付け,実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付ける」ことです。
語数は、単語帳で消していく目標値ではなく、授業で扱う範囲として置かれた数字でした。
連語と慣用表現は、(イ)と(ウ)に「連語」「慣用表現」とだけあり、数は示されていません。
高校の英語の単語数で親が確かめる4つ
- ①どの科目を履修するかを確かめる=必履修は英語コミュニケーションⅠだけで、Ⅱ・Ⅲがあるかで語数が変わる
- ②累計で見る=高校の1800〜2500語は、小中の2200〜2500語程度の上に積まれる
- ③1コマ3〜4語で進むと知る=一気に覚える形ではなく、授業のたびに少しずつ増える
- ④論理・表現は語数を増やす科目ではないと知る=同じ語を使って書く・話す側の科目
この記事の数字は、2026年9月26日に文部科学省のウェブサイトで公開されている告示のPDFから写しました。
次の改訂で変わる部分があるので、進路の資料は在籍する学校のものでご確認ください。
あわせて読みたい
小学校から中学校に上がるところで何が急に増えるのかは、中学の英語のつまずきを授業時数と語数で並べた記事で数えました。↓

小学校の600〜700語がどう配られているかは、小学生の英語の単語を1コマあたりに割り戻した記事にあります。↓

参考文献
- 高等学校学習指導要領(平成30年告示)(文部科学省)
- 高等学校学習指導要領(平成30年告示)のページ(文部科学省)
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