MENU

中学生が英検準2級を受けるとき。協会の試験内容・二次試験13段階・検定料・CEFRの位置を公式資料で確かめた

中学2年生の子が、塾から帰ってきて「次は準2級を受けろって言われた」と言いました。

3級に受かったのはつい半年前で、まだ中学の教科書を1冊終えたところです。

準2級は「高校生の級」だと思い込んでいたので、正直、早すぎるのではないかと感じました。

検索してみると「中学生には無理」「いや中学生でも受かる」と真逆のことが並んでいて、どれも誰が決めた基準なのかが書かれていませんでした。

そこで、自分の感覚で決めるのをやめました。

試験を運営している公益財団法人 日本英語検定協会のページと、文部科学省が毎年出している調査を、順番に開いて読み直しました。

この記事に書いてあるのは、協会と文部科学省が公開している資料に書いてあったことと、書いていなかったことだけです。

TOC

英検準2級に「中学生は受けられない」という決まりは、協会のどこにも書かれていない

先に結論を書きます。

協会が準2級について書いているのは「レベルは高校中級程度とされています」という目安だけで、受験できる学年や年齢の条件は書かれていません。

つまり「高校中級程度」は、受けてよい人を絞る資格要件ではなく、どのくらいの内容が出るかの目印です。

協会は同じページで、準2級を「これまで5級・4級・3級と着実に英語の基礎力を身につけ、基本的な応用力として次の段階へつながる重要な級」と説明しています。

3級の次にある級として置かれている、という位置づけです。

3級のレベルは「中学卒業程度」と書かれているので、中学生が3級のあとに準2級へ進むのは、協会が示した順番どおりの動きになります。

ここまでが、資料に書いてあることです。

では中身は何が変わるのか、順番に見ていきます。

英検準2級の一次試験は、中学生が慣れている問題の形とどこが違うのか

準2級の一次試験は、リーディングとライティングで80分、リスニングが約25分です。

協会が公開している「測定技能と検定形式」の表を、そのまま並べます。

技能形式・課題問題数問題文の種類
リーディング短文の語句空所補充15短文・会話文
リーディング会話文の空所補充5会話文
リーディング長文の語句空所補充2物語文・説明文
リーディング長文の内容一致選択7Eメール・説明文
ライティングEメール(返信メールを英文で書く)1Eメール
ライティング英作文(質問に対する意見を論述)1質問文など
リスニング会話の応答文選択(放送1回)10会話文
リスニング会話の内容一致選択(放送1回)10会話文
リスニング文の内容一致選択(放送1回)10物語文・説明文

中学校の定期テストと一番違うのは、ライティングが2題あって、片方が「返信メールを英文で書く」形式だという点です。

もう1題は「質問に対する意見を英語で論述する」課題で、こちらは自分の立場を決めて書くことが求められます。

リスニングは3つのパートとも放送回数が1回だと明記されています。

2回流れる前提で聞く癖がついていると、ここでつまずきます。

出題される場面は「家庭、学校、職場、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話、アナウンスなど」と書かれています。

話題は「学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、海外の文化、人物紹介、歴史、教育、科学、自然・環境など」です。

「職場」と「歴史・教育・科学」が入ってくるところが、3級までとの差になります。

英検準2級の二次試験は約6分の面接で、当日の流れが13段階で公開されている

準2級の二次試験は「英語での面接約6分」と書かれています。

協会は、入室から退室までを13の段階に分けて公開しています。

  • 入室し、面接委員に「面接カード」を手渡して着席する
  • 氏名と受験する級の確認をされ、簡単な挨拶をする
  • パッセージと2枚のイラスト(Picture A・B)が印刷された「問題カード」を受け取る
  • パッセージを20秒間、黙読する
  • 英語のタイトルから音読する
  • No.1=音読したパッセージの内容についての質問に答える
  • No.2・No.3=イラスト中の人物の行動を描写し、状況を説明する
  • 「問題カード」を裏返し、以降はカードを見ずに答える
  • No.4・No.5=受験者自身の意見などを問う質問に答える
  • 「問題カード」を面接委員に返してから退室する

音読するパッセージは「50語程度」と書かれています。

親として一番安心できたのは、聞き返しについての記述でした。

協会は「質問が聞き取れなかった場合など、自然な流れの中で行われた『聞き返し』なら、減点の対象にはなりません」と書いています。

ただし「不自然に行われたり、くり返し聞き返したりした場合は、減点の対象になります」とも書かれています。

評価の観点は「応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度など」と明記されています。

発音だけで決まるのではなく、意欲や態度も観点に入っている、ということです。

なお、退室後は控室に戻ったり、待機中の受験者と会話をしてはいけないと書かれています。

英検準2級のCAN-DOリストは、中学生が今できることとの距離をそのまま見せてくれる

協会は「英検Can-doリスト」を、級ごとに公開しています。

これは「目標の級に合格するのに求められる、各技能において英語で何ができなければならないかを示したもの」と説明されています。

準2級の「全体」は、こう書かれています。

「日常的な話題について、概要を捉えたり、情報や自身の考えを基本的な語句を用いながら伝えることができる。」

技能別には、次のように分かれています。

技能英検準2級のCan-do(協会の記述)
読む日常的な話題について、基本的な語句を用いた文章であればその概要を読んで捉えることができる
聞く日常的な話題について、ゆっくりかつはっきりと話されればその概要を聞いて捉えることができる
話す日常的な話題について、情報や気持ちなどを基本的な語句を用いながら話して伝えることができる
書く日常的な話題について、情報や気持ちなどを基本的な語句を用いながら文章を書いて伝えることができる

キーワードは「日常的な話題」と「基本的な語句」です。

難しい単語を積み増す級ではなく、扱える話題の幅を広げる級として設計されている、と読めます。

タスク例には「教師と外国語指導助手(ALT)による実際の対話などを聞いて、その概要を捉える」という、学校の授業そのものの場面が挙げられています。

ほかにも「店内放送や駅でのアナウンスなど、公共の場所での放送や電話の録音メッセージなどを聞いて、立場や状況に応じた内容を捉える」が入っています。

つまり、家で特別な教材を買わなくても、学校の授業と日常の場面がそのまま練習材料になる設計です。

英検準2級は3級・準2級プラス・2級とどう並んでいるのか(中学生が見る順番)

協会は「準2級プラス」という級も公開していて、3級の上が2つに分かれています。

協会が各級のページに書いている「レベル」を、そのまま並べます。

級協会が書いているレベル一次試験の時間二次試験
3級中学卒業程度—面接あり
準2級高校中級程度読む・書く80分/聞く約25分英語での面接約6分
準2級プラス高校上級程度(推奨目安)読む・書く85分/聞く約25分英語での面接約7分
2級高校卒業程度—面接あり

準2級プラスは、準2級の下ではなく上にあります。

協会は準2級プラスを「身近な社会的な話題について、概要や要点、詳細を理解したり、情報や自身の考えを多様な語句を用いながら詳細に伝えることができる級」と説明しています。

準2級の「日常的な話題」に対して、準2級プラスは「身近な社会的な話題」です。

この1語の差が、3級から2級までの段差を分割するために足された級だと分かります。

なお、準2級プラスの二次試験は約7分で、準2級より1分長く設定されています。

英検準2級の検定料は、中学生がどこで受けるかで変わる(2026年度・税込)

お金の話は、はっきり数字が出ています。

協会は個人申込と団体申込で別々のページに検定料を出していて、どちらも「単位:円(税込)」と明記しています。

級2026年度 本会場(個人申込)2026年度 準会場(団体申込)
2級9,000円6,800円
準2級プラス8,600円6,300円
準2級8,400円6,000円
3級6,800円4,900円
4級4,600円2,800円
5級4,000円2,400円

準2級は、本会場で受けると8,400円、学校や塾が会場になる準会場だと6,000円で、差は2,400円あります(いずれも税込)。

1級と準1級は本会場のみ、4級と5級は一次試験のみと書かれています。

協会は「2026年度の検定料は、2025年度の検定料より一律100円引き下げております」と書いています。

値上げが続く時代に、下がった数字がそのまま書いてあったのは意外でした。

また「一次試験免除者も同額です」とも明記されています。

一次に受かって二次で落ちた場合、次に受けるときも同じ金額がかかる、ということです。

英検準2級の合否は、中学生でも自分で確かめられる数字で決まっている

協会は、級ごとの合格基準スコア(英検CSEスコア)を公開しています。

そして「各級の合格基準スコア(英検CSEスコア)は変動しません」と書いています。

級一次試験の合格基準スコア二次試験の合格基準スコア
2級1520460
準2級プラス1402427
準2級1322406
3級1103353

合否は「何点満点の何割」ではなく、技能別スコアを合算した英検CSEスコアが基準に達したかどうかで決まる、と書かれています。

一次試験はリーディング・リスニング・ライティングの3技能の合算、二次試験はスピーキングのスコアのみで判定されます。

成績表には「英検バンド」も表示されます。

これは合格基準スコアを起点に、25点刻みで区切った目盛りです。

合格基準を上回る1つ目のバンドが+1、下回ると数字の前に「−」が付くので、あと何点で届くのかが1回で分かります。

落ちたときに「惜しかった」を感覚で言わなくて済む、という意味で、これは親にとってもありがたい仕組みでした。

英検準2級はCEFRのどこにあるのか、中学生の全国平均と並べてみる

協会は、受験した級ごとに算出できるCEFRレベルの範囲を表で公開しています。

その表によると、準2級を受けて表示されうるCEFRレベルはA1とA2の2つです。

3級はA1のみ、準2級プラスはA1とA2、2級はA1からB1までとなっています。

ここで、文部科学省の数字と並べると景色が変わります。

文部科学省の令和7年度「英語教育実施状況調査」(概要)は、CEFR A1レベル相当以上を達成した中学生の割合を54.6%と書いています。

これは中学校第3学年の生徒に占める割合です。

項目令和7年度調査の数字
CEFR A1レベル相当以上を達成した中学生の割合54.6%
うち 実際に級・スコア等を取得している生徒32.6%
うち 相当の英語力があると教師が判断した生徒22.0%
第4期教育振興基本計画の目標(令和9年度まで)6割以上
回答した公立中学校数9,101校

32.6%と22.0%を足すと54.6%になるので、この内訳で合っています。

注意したいのは、後半の22.0%が検定の合格ではないことです。

文部科学省は、この22.0%を「実際に外部検定試験の級、スコア等は取得していないが、それに相当する英語力を有していると英語担当教師が判断する生徒」と定義しています。

国が中学校卒業段階の目標に置いているのはA1相当以上であって、準2級で届きうるA2はその1段上にあります。

だから「中学生で準2級」は、標準からずれた話ではなく、国の目標の少し先を取りに行く話だと整理できました。

英検準2級を受ける中学生が、語彙の面でどこを越えるのか

学習指導要領のほうも開きました。

中学校学習指導要領(平成29年告示)の外国語には、扱う語について次のように書かれています。

「小学校で学習した語に 1600 〜 1800 語程度の新語を加えた語」。

小学校側の告示には「第4章外国語活動を履修する際に取り扱った語を含む 600 〜 700 語程度の語」と書かれています。

足し算をすると、中学校を終えた時点で扱っている語は2,200〜2,500語程度という計算になります。

準2級で何語必要かという数字は、協会のページには書かれていませんでした。

協会が書いているのは語数ではなく、出題される場面と題材、そしてCan-doの文だけです。

ですので「準2級は◯◯語」という数字を見かけたら、それは協会の記述ではない、と考えるのが安全です。

代わりに使える物差しは、過去問です。

協会は準2級の一次試験について、直近3回分の問題冊子・リスニング原稿・音源・解答を、公式サイトで無料で公開しています。

二次試験のサンプル問題と、面接の流れをアニメーションで見せる「英検バーチャル二次試験」も公開されています。

英検準2級を受けると決めた中学生の親が、日程で押さえること

英検は年3回あります。

協会は、申し込みから二次試験までの時期を次のように出しています。

検定回申し込み一次試験二次試験
第1回4月上旬〜5月上旬5月下旬〜6月中旬7月上旬〜7月中旬
第2回8月上旬〜9月上旬9月下旬〜10月中旬11月上旬〜11月下旬
第3回11月上旬〜12月中旬1月中旬〜2月上旬2月中旬〜3月上旬

中学生にとって重くなりやすいのは、一次と二次の間が1か月以上あくことです。

第1回なら、一次が6月で二次が7月です。

定期テストや部活の大会と重なる位置にあるので、申し込む前にカレンダーを重ねておく必要があります。

もう1つの選択肢として、協会は英検S-CBTを案内しています。

これは全国のテストセンターでコンピュータを使って受ける方式で、1日で試験が完結すると書かれています。

実施級は「準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級のみ」と明記されていて、準2級は対象に入っています。

同一検定回で同じ級を最大3回まで受験できる、とも書かれています。

英検準2級に挑む中学生の家で、今日決められること

ここまで読んで、家でできることは3つに絞れました。

  • 協会が無料で公開している直近3回分の一次試験の問題冊子を1回分だけ印刷し、時間を計らずに解かせて、どのパートで手が止まるかを見る
  • 学校や塾が準会場になっているかを先に聞く(本会場8,400円と準会場6,000円で2,400円違う/いずれも税込)
  • 一次と二次の日程を家のカレンダーに先に書き込み、定期テスト・大会と重ならない検定回を選ぶ

逆に、今日やらなくていいと判断したのは「語数のノルマを決めること」でした。

協会が語数を示していない以上、そこを家庭の目標に据えると、根拠のない数字を追うことになります。

代わりに、Can-doの文をそのまま冷蔵庫に貼るほうが、確かめられる目標になります。

「日常的な話題について、情報や気持ちなどを基本的な語句を用いながら話して伝えることができる」かどうかは、夕食の席でも確かめられます。

受けるかどうかを決めるのは、最後は家庭です。

ただ、決める材料は全部、協会と文部科学省が無料で公開していました。

「中学生には早い」と言う人も「中学生でも受かる」と言う人も、その根拠は資料の中にはありませんでした。

この記事で英検準2級について読んだ資料(中学生の判断に使った出典)

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

TOC