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全国学力テストの英語は中学3年生が対象。実施は3回で、令和8年度は4技能CBTのIRTスコア499だった

全国学力テストの英語は中学3年生が対象。実施は3回で、令和8年度は4技能CBTのIRTスコア499だった
全国学力テストの英語は中学3年生が対象。実施は3回で、令和8年度は4技能CBTのIRTスコア499だった

全国学力テストの英語が何年生に課される教科で、どんな形で行われているのかを、文部科学省と国立教育政策研究所の資料で確かめました。

子どもが中学校に上がる学年になり、4月に受けるテストの中身が気になって公式の資料を開いています。

開いたのは、文部科学省が令和7年12月5日に定めた「令和8年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」と、国立教育政策研究所が公表している結果の資料です。

この記事の数字は、その実施要領と、文部科学省・国立教育政策研究所が出している結果公表の資料から写したものです。

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全国学力テストの英語は、中学3年生だけに課される教科

結論から書くと、全国学力テストの英語を受けるのは中学校第3学年です。

正式な名前は「全国学力・学習状況調査」で、実施要領の「調査事項」には教科がこう並びます。

「小学校調査は、国語及び算数とし、中学校調査は、国語、数学及び英語とする」です。

英語は中学校調査だけに並んでいる教科で、小学校調査の教科は国語と算数の2つでした。

対象になる学年と学校の種類も、実施要領の「調査の対象」に一覧で載っています。

調査対象となる学年
小学校調査小学校第6学年、義務教育学校前期課程第6学年、特別支援学校小学部第6学年
中学校調査中学校第3学年、義務教育学校後期課程第3学年、中等教育学校前期課程第3学年、特別支援学校中学部第3学年

中高一貫の中等教育学校に通っていても、前期課程の3年生は中学校調査の対象です。

対象の範囲は「国・公・私立学校の以下の学年の原則として全児童生徒」とされていて、公立大学法人が設置する学校も含みます。

出題の範囲についても、実施要領に1行の決まりがありました。

「出題範囲は、調査する学年の前学年までに含まれる指導事項を原則とし」です。

中3の4月に受ける英語なので、問われるのは原則として中1と中2までに習った範囲になります。

全国学力テストで英語が実施された年度は、これまでに3回

国語と算数・数学は毎年ありますが、全国学力テストの英語は毎年ではありません。

国立教育政策研究所の令和5年度の結果資料は、その年の特徴として「中学校で4年ぶり2度目となる英語の教科調査を実施」という1行を挙げています。

2度目が令和5年度なので、1度目は4年前の平成31年度です。

令和8年度の結果公表の資料でも、調査事項の欄に「※令和5年度以来の実施」という注が付いていました。

数えると、平成31年度・令和5年度・令和8年度の3回という並びです。

回年度英語の調査の形
1回目平成31年度「話すこと」を学校のPC端末による音声録音方式で初めて実施
2回目令和5年度「話すこと」を1人1台端末等によるオンライン方式で実施
3回目令和8年度4技能すべてを文部科学省CBTシステムによるオンライン方式で実施

英語だけが3年おきに近い間隔になっているので、入学した学年によって、在学中に英語の調査に当たるかどうかが変わります。

3回とも、英語は中学校第3学年に課されました。

全国学力テストの英語はいつ実施されるのか

令和8年度の日程は、実施要領の「調査実施日等」にすべて書いてあります。

中学校の国語と数学は、令和8年4月23日木曜日の1日に行われました。

英語は、「話すこと」とそれ以外で日程が分かれています。

調査実施日
中学校 国語・数学令和8年4月23日(木)
英語(「話すこと」を除く)4月20日(月)〜23日(木)のうち文部科学省が指定する日・予備日は4月24日(金)
英語「話すこと」(当日実施校)4月24日(金)または4月27日(月)
英語「話すこと」(期間内実施校)4月28日(火)〜5月29日(金)のうち指定された日
学校質問調査4月1日(水)〜17日(金)で各学校が希望する日

当日実施校というのは、文部科学省が指定する500校程度の中学校のことでした。

それ以外の学校は期間内実施校と呼ばれ、ゴールデンウィークをはさんだ1か月のあいだに「話すこと」を実施します。

英語だけが4月20日から5月29日まで、1か月以上にわたって分散して行われる形です。

トラブルや欠席で受けられなかった生徒のために、後日実施期間も決められています。

国語と算数・数学は4月24日から4月30日まで、英語(「話すこと」を除く)は4月27日から5月1日までが後日実施期間でした。

全国学力テストの英語の調査時間と、出題の決まり

次に、英語に割り当てられている時間を書き写しました。

教科・区分調査時間
中学校 国語50分
中学校 数学50分
英語「聞くこと」+生徒質問調査合わせて50分程度(うち「聞くこと」は20分程度)
英語「読むこと」「書くこと」合わせて50分程度
英語「話すこと」20分程度
小学校 国語・算数それぞれ45分

英語は3つのコマに分かれていて、合計すると他の教科より長い時間が取られています。

出題の形にも決まりがありました。

実施要領には「出題形式について、記述式の問題を一定割合で出題する」とあります。

英語「話すこと」に関する問題の解答は、原則として口述式です。

さらに、英語には非公開問題が混ざります。

「英語の出題には、学力の状況や変化を正確に把握することを主目的とする非公開問題を含む」という1行です。

受ける場所も区分ごとに決められていて、英語(「話すこと」を除く)は調査実施日は学校、後日実施期間は学校外での実施も可能とされています。

英語「話すこと」は、当日実施校は学校、期間内実施校は学校外での実施も可能でした。

国の資料が英語を「聞くこと」「読むこと」「書くこと」「話すこと」の名前で区切っている理由は、子どもの英語を話す力を公的な物差しで並べた記事で整理しています。↓

全国学力テストの英語「話すこと」は、声を録って登録する調査

全国学力テストの英語でいちばん形が変わっているのが「話すこと」です。

平成31年度は、各学校のPC端末を活用した音声録音方式で初めて実施されました。

令和5年度は1人1台端末等を用いたオンライン方式になり、令和8年度は文部科学省CBTシステムによるオンライン方式に移っています。

年度「話すこと」の方式調査時間
平成31年度各学校のPC端末を活用した音声録音方式1学級当たり5分(準備・移動を含み15分)程度
令和5年度1人1台端末等を用いたオンライン方式─
令和8年度文部科学省CBTシステムによるオンライン方式20分程度

録る道具が学校のPCから1人1台端末へ移り、時間のほうも5分から20分程度へ延びました。

集計の扱いにも、他の区分とは違う決まりが付いています。

英語「話すこと」の結果は、当日実施校の分だけが全国値の集計の対象で、都道府県等別の集計は行いません。

「話すこと」だけは都道府県別の数字が出ないので、県ごとの順位の話には入りません。

令和5年度の資料には、その全国値がどう作られたかまで注記されています。

当日実施校として指定された500校のうち、1回目ですべての音声データが正常に登録された生徒(499校・41,966人)の結果をもとに、平均正答率等の全国値を推定したという説明でした。

実施要領は、障害のある生徒への配慮も「話すこと」の欄に細かく書き分けています。

  • ①英語「話すこと」調査では、スクリプト表示問題を使える
  • ②調査時間の延長・点字・拡大文字・ルビ振り問題・代理解答・別室の設定も、学校の判断で可能
  • ③右耳・左耳それぞれの平均聴力レベルが60デシベル以上で実施が難しいと判断される場合は、英語「聞くこと」及び「話すこと」を原則として調査の対象としない

声を録って点数にする仕組みは、東京都の高校入試でも同じように動いています。

その中身はESAT-Jの実施要項を都教委の資料で確かめた記事にまとめました。↓

全国学力テストの英語は、令和8年度から4技能すべてがCBTになった

令和8年度の結果公表の資料には、その年の特徴が2つ挙げられていました。

1つ目が「中学校・英語(4技能(聞くこと・読むこと・書くこと・話すこと))の全面CBT(Computer Based Testing)化」です。

注として「『話すこと』調査のみ令和5年度もCBTで実施」と添えられていました。

国語と数学は、いまも冊子を用いた筆記方式(PBT)です。

英語は、生徒が活用するICT端末等を用いた、文部科学省CBTシステムによるオンライン方式です。

実際にどれだけの学校と生徒が画面で受けたのかも、同じ資料に数字で出ていました。

区分実施した学校数完了した生徒数
英語「聞くこと・読むこと・書くこと」9,535校876,529人
英語「話すこと」9,504校863,794人
(参考)中学校国語─880,217人
(参考)中学校数学─880,818人

英語「聞くこと・読むこと・書くこと」は、調査実施日に完了した学校が9,349校(98.0%)、後日実施で完了した学校が156校(1.6%)という内訳でした。

英語「話すこと」の863,794人は、当日実施校の46,645人と期間内実施校の817,149人の合計です。

英語「聞くこと・読むこと・書くこと」を実施しなかった学校として表に挙がっていたのは、準備面(MEXCBTの登録申請が遅れた)が1校と、その他(対象生徒の体調不良等)が29校の、合わせて30校でした。

ネットワーク・端末を理由に挙げた学校の欄は、どちらの区分も0校です。

画面で受けるからこそ用意された配慮版プログラムも、使われた人数まで公表されていました。

配慮版プログラム英語「聞くこと」英語「読むこと・書くこと」英語「話すこと」
拡大文字問題644人725人294人
点字問題冊子23人23人21人
時間延長177人119人─
ルビ振り問題11,651人12,441人9,331人
スクリプト表示──96人

いちばん多く使われたのはルビ振り問題で、英語「読むこと・書くこと」では12,441人が使っています。

紙では配りにくかった拡大文字・ルビ振り・スクリプト表示が、プログラムの切り替えで用意される形になりました。

全国学力テストの英語の結果は、正答率ではなくIRTスコアで示される

令和8年度から、英語の結果の出し方そのものが変わりました。

結果公表の資料には「中学校英語は、IRT(項目反応理論)に基づき、500を基準に算出したIRTスコアで結果を表示」と注記されています。

IRTは「児童生徒の正答・誤答が、問題の特性(難易度、測定精度)によるのか、児童生徒の学力によるのかを区別して分析し、児童生徒の学力スコアを推定する統計理論」と説明されていました。

文部科学省の資料では、PISAやTOEIC・TOEFL等の英語資格・検定試験、医療系大学間共用試験等で採用されている方式だとされています。

令和8年度の全国(国公私)の数字は次のとおりでした。

校種・教科平均正答数(率)・平均IRTスコア
小学校 国語7.9/13問(61.1%)
小学校 算数9.1/16問(56.6%)
中学校 国語9.6/15問(64.2%)
中学校 数学9.2/16問(57.4%)
中学校 英語4技能499
中学校 英語3技能(参考)502

英語4技能の平均IRTスコアは499で、基準の500とほぼ同じ位置にあります。

4技能のスコアは「話すこと」の当日実施校(46,645人分)のデータに基づいて全国値が算出され、各学校に返却されるのは「聞くこと・読むこと・書くこと」(876,529人分)の3技能を統合したIRTスコアでした。

スコアは5つのIRTバンドにも区切られています。

IRTバンド12345
4技能スコア換算〜341342〜448449〜556557〜663664〜
3技能スコア換算〜329330〜443444〜558559〜673674〜

このバンドは「理想的な正規分布となった場合、バンド3が約40%、バンド2及びバンド4が約23%、バンド1及びバンド5が約7%となるように設定したもの」と説明されていました。

実際の各生徒のスコア状況によって各バンドの割合は変動する、という注も付いています。

結果が家に届く順番も2段階で決まっていて、7月に「話すこと」を除く英語3技能、秋頃に「話すこと」と英語4技能の結果が返されます。

令和8年度の問題は分冊方式で、多数の小問群(ブロック)を複数の問題セットにあらかじめ割り付ける作り方でした。

生徒によって解く問題の組み合わせが違っても、IRTなら同じ物差しの上で比べられるという設計です。

同じ中学生の英語力を別の物差しで見た数字は、中学生の英語力をCEFRの区分で確かめた記事に書いています。↓

全国学力テストの英語の正答率は、過去の年度の資料に数字で残っている

IRTスコアになる前の年度は、正答数と正答率で公表されていました。

国立教育政策研究所の令和5年度の資料に、その数字が並んでいます。

年度中学校英語英語「話すこと」
令和5年度7.8/17問(46.1%)0.6/5問(12.4%)
平成31年度(参考)11.9/21問(56.5%)1.5/5問(30.8%)

中学校英語の欄は「聞くこと」「読むこと」「書くこと」の合計を集計したものです。

平成31年度の英語「話すこと」は、資料の中で「参考値」として集計されたと注記されていました。

令和5年度の英語「話すこと」の平均正答数は5問中0.6問で、正答率にすると12.4%です。

同じ年の中学校国語は70.1%、中学校数学は51.4%でしたから、英語「話すこと」の数字が目立って低い形になりました。

ただし、資料には比べ方についての注意書きが付いています。

「各年度の問題の難易度を厳密に調整する設計とはしておらず、年度によって出題内容も異なることから、過年度の結果と単純に比較することは適当ではないことに留意」です。

年度ごとの数字は、その年の問題に対する結果として読むものだと国の資料自身が書いています。

令和8年度からIRTスコアになったことで、経年変化については「次回以降の教科調査(中学校英語)の結果と一緒にお示しする方向で検討します」とされていました。

全国学力テストの英語の問題と正答例は、調査が終わったあとに公開される

調査問題そのものも、家から読めます。

文部科学省は、調査問題・正答例・出題の趣旨・解答類型を公表します(英語の非公開問題に関するものを除く)。

公開の場所は国立教育政策研究所のウェブサイトで、中学校の英語は「聞くこと」「読むこと、書くこと」「話すこと」の3つに分かれて並んでいます。

ページには「調査問題、正答例、解説資料及び質問調査の一部または全部を無断で転載、複製することを禁じます」という断りがあり、著作権法第35条に基づく授業目的の複製は一定の条件の下で認められる扱いです。

分冊方式で出題する令和8年度の英語は、資料に「調査が全て終了するまでは問題を公開できない」と明記されていました。

令和8年度の公表資料では、英語の設問が2つ、正答率つきで紹介されています。

設問内容正答率
中学校英語 問10(2)インターネットの使用に関して読んだことについて、考えとその理由を書く28.4%
中学校英語 問16留学生と一緒にしたいことを1つ取り上げ、その理由を話す53.5%

問10(2)では、条件①(書き手の意見に対する自分の考えを書いている)は満たしているが条件②(その理由を書いている)を満たしていないものが43.6%ありました。

問16でも、条件①だけを満たして②を満たしていないものが16.8%です。

文部科学省がこの2問からまとめた1行は「自分の考えを書いたり話したりする際に、読み手や聞き手に伝わるよう、理由を示すことを意識させることが重要」でした。

書く・話すのどちらでも、つまずいているのは英語そのものより「理由を添える」ところだという整理です。

参考として、平成31年度の似た形の「話すこと」の問題の正答率は45.9%と示されていました。

全国学力テストの英語で親が見る4つ

  • ①学年を確かめる=英語が課されるのは中学校第3学年で、出題範囲は原則として前学年まで
  • ②年度を確かめる=英語の実施は平成31年度・令和5年度・令和8年度の3回で、毎年ではない
  • ③日程を確かめる=4月20日ごろから5月下旬まで分散し、「話すこと」は学校によって日が違う
  • ④結果の見方を確かめる=令和8年度からは正答率ではなく500を基準にしたIRTスコアとバンドで返ってくる

4つのうち③と④は学校から配られる案内で決まるので、4月のプリントを見るときの読み方として使えます。

この記事で使った資料は、令和8年度の実施要領と、令和8年度・令和5年度の結果公表の資料です。

最新の内容は文部科学省の全国学力・学習状況調査のページと、国立教育政策研究所の公式ページでご確認ください。

あわせて読みたい

中学校の英語が3年間で何時間ある教科なのかは、中学校の英語の授業時数を別表第二で書き写した記事で数えました。↓

普段の授業がどの言語で進んでいるのかは、中学の英語の授業を告示と調査で確かめた記事に書き出しています。↓

参考文献

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